第26章 魔法生物飼育学
ハグリッドがハリーを褒めながら聞く
「最高!」
ハリーは満面の笑みで答えた
それからハグリッドは皆に指示を出し、他のヒッポグリフと触れ合う時間を取らせてくれた
「わぁ!おっきいー!」
「見事な大きさね!」
ミアとハーマイオニーと一緒に灰色のヒッポグリフと触れ合う
ハグリッドの言った通り、お辞儀をして体に触れさせてもらう
「すごい、ふわふわだわ!」
「毛並みもつやつやだね!」
ハーマイオニーがふわふわを堪能している
3人に体を撫でられる灰色のヒッポグリフは、気持ちよさそうに目を細め、「クワァー」と鳴いた
「ふふ、眠いのかな?」
「可愛いわねぇ」
「「(コクコク)」」
2人がヒッポグリフと触れ合っている間に、ドラコに目を向ける
(あー、あれ大丈夫なのかな?)
ドラコを見ると、バックビークに絡んでいるように見えた
やはり嫌な予感がする
ドラコが説明を聞いていたのは見たので問題ないと思ったが、この流れではドラコが怪我をし、バックビークが処刑されてしまうだろう
「………」
「ヴィオラ?どこに行くの?」
ミアの声を振り切りドラコの元に急ぐ
近付くと、やはり彼はバックビークを侮辱している真っ最中だった
「はは、なんだよこいつ、全然危険じゃないな」
クラッブとゴイルと一緒にバックビークをからかおうとしている
あれでは間違いなく攻撃されてしまうだろう
止めようと声をかけるが
「ドラ…」
「醜い野獣め!」
頭に触れようとする
しかしバックビークは侮辱されたので当然
「クワァァ!!」
「うわぁ!」
「ッ!」
ザクッ!!
嫌な音がした
ポタ、ポタ
「いったぁ………」
咄嗟に前に出る
庇ったはずみに、バックビークの前足で左腕を引っかかれてしまった
血が滴り落ち、落ち葉に染み入る
結構な出血量なので、すぐに左腕の下に血溜まりが出来た
とてもズキズキして痛い
「ッヴィオラ!」
「なんてこった!やめろバックビーク!」
真っ青な顔をしてハグリッドやハーマイオニーが呼んでくる
しかし気にしない
痛みをこらえてお辞儀をする
「………………」
バックビークはずっと黙っている