第26章 魔法生物飼育学
そして
「ごめんなさい」
そう言った
(痛いなぁ………すごくズキズキする……でも)
ーーーーーお母さんの方が痛かったはず
麗乃を守って死んだのだ
麗乃のせいでいなくなってしまったのだ
もっと痛かったはず
もっと苦しかったはず
ならば、こんな痛み、母に比べたらどうってことはない
歯を食いしばる
必死に、痛みをこらえる
お辞儀をしたまま、バックビークの許しを待つ
「…………クワァ」
バックビークはヴィオラを見つめたまま動かなかったが、やがてお辞儀を返し、怪我をした腕に顔を近寄せてきた
スンスン
まるで労わるように、謝るように擦り寄せてくる
「ふふ、慰めてくれるの?」
「クワ」
「ありがとう」
その様子を見ていたハグリッドやハリーが慌てて駆け寄ってくる
「ヴィオラ!」
「こりゃいかん!酷い怪我だ!」
「え?私は別に…」
「こんなに深く怪我しておいて何を言っちょる!医務室に行くぞ!」
「うわぁ!」
ハグリッドに軽々と抱えられる
いわゆる「お姫様抱っこ」だ
「掴まっとけよ」
「おおぉ」
人を抱えながら素早く移動するハグリッドに感心する
さすがは巨人族だ
すごく頼りがいがある
「はっ……は」
息が荒くなってくる
血が流れすぎたのだ
「まずいよ、顔色が悪くなってる」
ロンが指摘する
その通りだ
「やべぇな、もうちょいと急がにゃならん」
ハグリッドはそのまま授業を終わらせ、全力でマダム・ポンフリーの所に連れていってくれた