第26章 魔法生物飼育学
「クルルッ、クッ、クワッ」
バックビークは鳴いている
「そのまま…そのままだ」
ハグリッドはまるで語りかけるようにバックビークに言う
そしてハリーに向き直り
「ええぞハリー、やったな!」
満面の笑みで褒めた
ハリーも嬉しそうに笑っている
「ようし、今度はくちばしに触ってみろ
ゆっくりだぞハリー…ゆっくり」
ハリーは本当にゆっくりとくちばしに触れようとする
途中ヒヤヒヤしたが、なんとか触る事が出来ていた
「ようやった!」
皆が拍手する
バックビークは心地良さそうにくちばしをハリーの手に擦り寄せる
知っていたその光景は、間近で見た事によりもっと感慨深いものになった
ハリーがバックビークを撫でるのに浸っていると
「背中に乗せてくれるぞ」
とハグリッドが言い出した
ハグリッドはハリーに有無を言わせずバックビークの背中に乗せる
「ちょっと、あぁ…」
案の定戸惑ってしまっている
しかしハグリッドは気にしない
「羽を引っこ抜かんようにな」
それだけ忠告し
「それっ!」
と言ってバックビークのお尻を叩く
バックビークは駆け足で進み、やがてスピードをあげて空高く飛んで行った
「うわぁぁぁぁぁ」
「「おぉー!!」」
ハリーの声がどこまでも聞こえてくる
空に舞い、悠々と遊ぶバックビークはすごく綺麗だった
「すごーい!ハグリッド!私も乗りたい!」
「おうおう、ハリーが帰ってきたら、皆にも触れ合わせてやるぞ」
「やったぁ!」
ハグリッドは笑いながら許可してくれた
他の生徒も乗りたそうにしていたのだ
今から乗りたくてうずうずして仕方ない
「ふふ、そんなに乗りたいのね
ハグリッドの事、先生って呼ぶの忘れてるわよ?」
「あ」
「ふふふ」
ミアに言われ思い出す
確かに興奮しすぎて忘れていた
ミアはすごく面白そうに笑っている
しばらくして、ハグリッドが口笛を吹く
すると
「クワッ!クッ!クッ!クワァッ!」
と言って、バックビークとハリーが帰ってきた
一斉に拍手が沸き起こる
パチパチパチパチパチ!!
「よくやったぞハリー
俺の初日はどうだ?」