第26章 魔法生物飼育学
胴体、後ろ足、しっぽは馬で、前足と羽根と頭部は巨大な鳥のように見える
ギラギラとした目と鋭いくちばしは鷲にそっくりで、特にハグリッドが連れている子は体の白銀の色合いがとても綺麗だった
ハリーが聞いた
「それ、何なの?」
「ヒッポグリフっていう生き物だ
名前はバックビーク
最初に言うとくが、こいつらは誇り高い
すぐ怒るから、絶対侮辱しちゃなんねぇぞ」
ハグリッドは釘を刺すように慎重に忠告してくれる
皆はそれをしっかりと聞いていた
まあ、前足で蹴られたくはないし、命を失いたくもないからだ
「さて、誰から挨拶する?」
ハグリッドがそう言う
誰も手をあげない
蹴りあげられるのが怖いのだ
それどころか、ハグリッドがそっぽを向いた瞬間、ハリーを置いて皆一歩後ろに下がった
取り残されたのはハリーとヴィオラだけ
(どうしよう、行こうかな?
もふもふしたいしなぁ)
ヴィオラは迷っている
それもそのはず
バックビークに一番乗りするのはハリーだと映画でも原作でも決まっているからだ
「……」
少し考え、やっぱり後にすることにした
一歩下がる
「あれ?君行かないの?」
「うん、やっぱり後にしようかなって」
ロンに言われるが、一部ありのままを話した
ハリーは辺りを見回す
しかし誰もいない
当然だ、皆下がったのだから
仕方ないと感じたのか、ハリーは手を挙げて自分から名乗り出た
「ダメよハリー!」
「トレローニー先生の占いを聞いたでしょ!」
途中、ラベンダーとパーバティがハリーを止める
だが無視して前に出た
ハグリッドは嬉しかったのだろう
とても笑顔だ
「よしハリー、いいぞ」
そう言いながら、ハグリッドはバックビークに餌をあげる
「いいか、ヒッポグリフが先に動くのを待つ、それが礼儀だ
側まで言ってお辞儀をして、相手がお辞儀を返してくれるのを待つ
返したら、さわってもいいという事だ」
ハグリッドに言われた通りにハリーは行動する
側まで近寄り、お辞儀をする
そして動かない
すると
「「!」」
バックビークが前足を折ってお辞儀を返した