第25章 3年生になります!!
彼女が持っているのはヴィオラのカップ
ヴィオラの占いを見ようとしているのだ
「まあまあ、これは…」
結果を見たトレローニーは口元を手で隠し、さっきと同じような哀れみの目を送ってくる
「これは言った方がいいのかしら……いいえ、でも良くないわ…」
なんだかぶつぶつと言っている
一体なんだと言うのか
疑問に思っていると、トレローニーは勝手に話した
「お悔やみを申し上げます…近いうち、あなたの家族が亡くなると出ているわ」
「え?」
「この模様からして……恐らく弟さんが…
あなたの弟さん、今何かご病気を患っているでしょう?
衰弱して、あと13日後に死ぬと出ているわ」
そう言われた
「あの、弟は元気です」
「隠さなくてもよろしいわ…可哀想に…」
その言葉に少し、いや大分イラついた
何を勝手な事を言っているのだろう
エドワードは衰弱していないし、病気にかかっている訳でもない
確かに一時期そういうことはあったが、今はもう元気すぎて困るくらいだ
縁起でもないことを言われたまらなくなり、声を荒らげてしまった
「いいえっ、私の弟は元気です!
病気にもなっていないし、元気すぎてうるさいほどですから!」
生徒達は目を見開いて驚いている
トレローニーは何故かますます憐れむようになって
「可哀想に……信じられないのね
でも、いつかきっと分かるわ……13日後、あなたの御家族が亡くなってしまいます」
どこまでもこの人は言い続けるつもりだ
(もう我慢ならない!)
「ではこちらを見ては?!」
そう言って、ヴィオラはポケットから一通の手紙を取り出す
赤い手紙だ
「これは?」
「吠えメールです、私の家族から届きました
全員分のメールがここに記録されていますっ」
ビリビリと開いて言う
これはお守りに持っていたものだ
いつもローブに忍ばせて持っている
手紙を開く
すると、父の声が聞こえだした
『ヴィオラ〜!!僕の愛しのヴィオラー!会いたいよー!
僕は今フランスに来ていてね、本場のボンボンショコラを買っているところだよ!』