第25章 3年生になります!!
トレローニーは哀れみの目をハリーに向けている
そしてそれを聞いていた生徒が全員「可哀想」というような顔をしていた
ハリーとペアのディーンには伝わらなかったらしく、キョトンとしている
「先生、グリムってなんですか?」
ハリーがそう聞く
するとトレローニーは興奮しだした
「グリムは最も悪い事の前触れを意味するのですよ!
墓場に住まう死神犬で、最悪の予兆です!
あぁ、なんて哀れな……」
これ見よがしにトレローニーは頭を抱え、ハリーはそれに困っていた
「これを見ると…あなたを強く恨む相手がいますね」
「当たり前の事ね」
ハーマイオニーが言った
それにトレローニーは目線で答える
ハーマイオニーが言う
「だってハリーと例のあの人の事は皆知っているわ」
それにより、全員が「確かに」といった顔付きになる
彼女の言う通り、それは誰もが知っていることだ
「グリムはあなたにまとわりつき、どこまでも付いてくるでしょう
どうか運命が良くなることを…」
トレローニーはそう言った
生徒達がハリーを見つめている
しかしハーマイオニーは違った
「どう見てもこれは死神犬には見えないけど」
彼女はトレローニーの後ろに回り、カップを覗き込んだ
そして聞こえるようにそう言う
「…」
トレローニーは自身の予知を否定されたのが気に入らなかったらしく、ハーマイオニーを睨んだ
しかし彼女は気にしない
カップを見つめ、「これはグリムというより健康の暗示をしていないかしら?」と言っている
(あからさまだね…)
ハーマイオニーはトレローニーが気に入らないのだろう
トレローニーもハーマイオニーに言い返しているが、ハーマイオニーは全く気にしているそぶりを見せない
それどころか、言い返せて清々しくしている
途中で何故かシェーマスも絡み、結局ハリーの占いは有耶無耶になってしまった
「なんか大変だな…」
「だね…」
一部始終を見ていたキャシーがそう言う
(本当に大変そう…)
心からそう思った
「あら?あなた…カップを見せて」
突然トレローニーがこちらにやってきてキャシーにそう言った