第4章 受け継がれる愛の魔法
ハンネスの明るい声により、ダニー、エルラ、ヴィオラはすぐに気分が晴れやかになる
ブローは先程のハンネスの言葉により泣いて感動してしまっている
「父さん、突然話し出すなんて相変わらずだよね、僕は魔法省で仕事してるんだよ?僕が一言言ったらどうなると思ってるの」
「お前はそんな事しないだろう、ヴィオラが大好きじゃないか、まあそんな事をしても私がお前をぶっ潰しに行くだけだがな」
「「「(ゾクッ)」」」
ハンネスの言葉に全員が背中を震わせる
ダニーはその中でも一番顔を真っ青にしていた
(どうしてこの一族は皆とんでもないこと言い出すのかなぁ、私にもしっかり遺伝されてるし、家族ってこわぁい……)
ヴィオラは家族の可能性というものを存分に思い知ったのであった
「あ、ねぇねぇ」
「ん?どうしたの?」
「あのねママ、私狼さんを助けたでしょ?でもおじいちゃんの話だと愛する者にしかかけられない魔法なんだよね?会ったばかりの狼さんになんで魔法をかけることが出来たんだろうねぇ」
「…………」
エルラは何も言えなかった
(い、言えないっ、あれがリーマスの人狼の時間帯の姿だなんて、あなたがリーマスのことも恋ではないけど愛してるだなんて、口が裂けてもあなたにもダニーにもお父さんにも言えないっ)
母は強しとよく言うが、この時のエルラに聞かせてあげたいピッタリの言葉だと思った
それからというもの、何の変哲もないいつもの日常を送った
変わったことといえば、弟が生まれたことだ
ヴィオラが六歳になるとエルラのお腹に命が宿り、元気な男の子が生まれた
おめでたい第二子だ
ダニーは相変わらずの如く、「僕の天使だ!写真だ!額縁を買い占めなければ!!これを何枚も撮って今度はダンブルドアやセブルスにも送り付けてやろう!!」と恐ろしい計画をたてていた
そこでエルラが「ダニー!お前はダンブルドアとセブルスに送り付けることしか出来んのか!もっと撮って知り合い全員にばら撒きなさい!!」と、なんともおかしな怒鳴り声を上げていた
ちなみに弟の名前はエドワード
おじいちゃんが冒険していた時に出会った友達の名前を付けたのだそうだ
そして、ヴィオラが9歳、エドワードが3歳の時に、ハンネスは亡くなってしまった