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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第24章 ヘンテコな教師



2つの光が向かっていったので、「彼等」は悲鳴をあげた

苦しむような悲鳴をあげ、やがて去っていく
辺りには静寂が残った








「はぁ…はぁ…」


(なんで忘れてたんだろう……)



「ハリー、大丈夫?」

ハーマイオニーが未だ硬直しているハリーに声をかける
その声ではっとし、意識を戻した

ハリーも我を取り戻したようで
しかしひどい顔色をしていた


すると

「食べると良い、気分が良くなる
チョコレートだから」


ルーピン先生の声がした

それで全員が彼に目を向ける

突然目を覚まし呪文を唱えた男性
リーマス・ルーピンだ

謎ばかり深まっていくが、今はそうも言ってられない
ずっと気にしていたロンでさえ、今は何も言えなかった


「ありがとう」

ハリーがお礼を言い、チョコレートを受け取る

口に含み、こころなしか、少しだけ彼の顔色が良くなった気がした


「なんだったんでしょう…今のは」

チョコレートを食べながらハリーが言う

ヴィオラ以外の全員が思っている疑問に、ルーピン先生は答えた

「ディメンター、吸魂鬼だよ
アズカバンの看守だ…もう消えた
シリウス・ブラックを探していたんだよ」
「シリウス・ブラック…」

ヴィオラはそう呟く

その声が聞こえていたようで、ルーピン先生はこちらを向いた

「君は…」
「?」

何故かこちらを見つめて黙ってしまった

一体どうしたのだろう

「あの?」

心配になり声をかけた
するとすぐさま反応し、応えてくれる

「あぁ、すまないね、なんでもないんだ
それと、先ほどの呪文は見事だったよ」
「あ、ありがとうございます」

微笑んでヴィオラのことを褒めてくれた

なんだかむず痒い
憧れのルーピン先生に褒められるのは嬉しいが、少しくすぐったい


「失礼、私は運転手と話してこなければ」

ルーピン先生が立ち上がり、部屋から出る準備をする
ハーマイオニーやロンはなにか聞きたそうだったが、ハリーが心配なのか何も言わなかった


ガラガラ

扉を開けて出て行こうとすると

「そうだ、君達も食べるといい、これはあげるから
少しでも気分が落ち着くだろう」

そう言って、チョコレートの入った箱を渡してきた




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