第24章 ヘンテコな教師
「それじゃあまた」
そう言って、ルーピン先生は行ってしまった
「変な人だな…」
「なんてこというのよロン…」
ロンのルーピン先生に対しての評価が納得いかず、突っ込んでしまう
(あの人は最高の教師なんだからっ)
文字通り、リーマス・ルーピンはホグワーツ史上、最高の教師にランクインする人だ
「僕、どうなってたの?」
ハリーがそういった
それにより3人がハリーに向き、気まずそうに黙る
言ってもいいものか、迷っているのだ
しかしロンが言う
「君、硬直してたんだよ
引き付けでも起こしたのかと思った…」
ロンの言葉にハリーが驚く
あの瞬間どうなっているかは分からないが、確かにハリーは固まっていた
動かずにじっとディメンターを見つめていた
魂を吸われるとあの状態になるのだろう
「ディメンターはタチの悪い生き物だから…
ハリーが変になるのも無理はないよ」
ヴィオラはそう言う
吸魂鬼は不幸な人間が大好きなのだ
だから不幸な記憶が多いほど、付け狙われやすくなる
親を失い、血縁者から愛されず、孤独な幼少期を送ったのなら、ハリーが吸魂鬼に襲われるのもなんらおかしいことではない
「楽しい気分になれない…」
ハリーがそう呟く
まあディメンターに襲われたのに楽しくなんてなれるわけがない
「誰か叫んでいたよね?女の人が…」
「「……」」
ハリーがそう言ったが、誰も心当たりはない
叫び声なんて聞いていないのだ
「誰も叫んでないわ」
ハーマイオニーがそう言う
部屋の中には、不穏な空気が流れるばかりだった