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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第23章 指輪の力



なんと物騒な
最強の杖があっても盗まれたならどうしようもない

なんて哀れなのだろうか


ルブリスは言う

『2番目の兄はかつての恋人を蘇らせた
彼女は変わらず美しく、すぐに結ばれた
だが時の流れに慣れることが出来ず、彼女はまた塵に戻ってしまった
2番目の兄もそれに悲しみ、あの世でまた会おうと自殺した
「死」は、2人の魂を手に入れた』

そこでルブリスは一旦止めた
一呼吸してまた言おうとしたが、それを遮って聞いた

「あの、ひとつ質問です」

授業のように手を上げる
ルブリスも乗ってくれて

「どうしたそこの生徒」

気にせず聞く

『私の持つ指輪に「蘇りの石」があるなら、私も願えば蘇らせることが出来るんですか?』

この石にそのような力があるなら、誰かを蘇らせることが出来る
会いたいと願った人に、会えるのかもしれない

(お父さんとお母さんに…)

麗乃の亡き父と母を頭に浮かべた


『残念だが、それは無理だ』

「え?」

『その石は、ただ死んだ人間を呼ぶだけ
霊魂を呼び出して会話するだけだ
人は必ず死ななければならない事を受け入れなければ、お前もこの話の2番目の兄のようになるぞ』

「……」

そう言われてしまった

確かにそうだ
人は必ず死ぬ
「死」に抗う事など出来ない
寿命を迎えれば「死」を受け入れなければならないのだ

『続き、話していいか?』

「あぁ、どうぞどうぞ」

すっかり忘れていた
今は話を聞こう

『3番目の弟だけは、どう探しても見つからなかった
「死」は血眼になって探したが、マントは死からも逃れられるものだからな
それから何年も見つけられなかった
だがあるとき、3番目の弟は自分の息子にそのマントを譲った
3番目の弟は兄弟の中で一番賢く、「死」を古い友人として迎え入れたんだ
それから透明マントは代々受け継がれるようになり、杖と石はどうなったか定かではない』

「でも、この指輪は…」

『あぁ、どっか人様の屋敷で見つけたんだろ?
たぶんそいつの家にひっそりと受け継がれてたんじゃねえか?』

「…」

ルブリスの言う事が正しければ、トム・リドルの母方の実家に受け継がれていた事になる




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