第23章 指輪の力
薬指から取ってルブリスに見せる
ルブリスは興味深そうに指輪を眺め、やがて話し出した
『なるほどな……この指輪、どこで手に入れたんだ?』
「えっと…ある家のお屋敷です…」
『ある家の、か……
単刀直入に言うが、それ、「死の秘宝」のひとつだ』
「『死の秘宝』?」
『なんだ、お前そんなんも知らねぇのか?子供によく読み聞かせられる話だぞ?』
「っ…すみません」
『ったく、まあ「死の秘宝」って言うのは、ある三兄弟と「死」が作り出した魔道具の事だよ』
「『死』?」
ルブリスの話は分からないことだらけだ
確か「ハリー・ポッター」の最後の話では「死の秘宝」が題名に付いていたような気もするが、自分は最後まで見た事がないので詳しくない
だがまあ、この指輪が普通ではなく、その「死の秘宝」と呼ばれるものだと分かった
後の物語で大切になってくるものだとも
ルブリスは言う
『ざっくり説明するけど、昔、ある三兄弟が、橋を作ったんだ
激流の川を通れるように、魔法で作り上げた、そしてそこに現れたのが「死」だ
由来は死神みたいなやつだから「死」だな』
「ふむふむ」
『「死」は三兄弟を賞賛して、彼らの望むものを与えた
1番上の兄には最強の杖を、2番目の兄にはそれだ』
「指輪ですか?」
『正確に言うと石だな、まあ歴史の流れで「死の秘宝」だと分からなくなったんだろう
そんで、3番目の弟には姿を消すマント
「死」からも逃れる事が出来るマントだ』
(それって)
「死」からも逃れられるマント
それはもしかしてハリーの持つ「透明マント」ではないだろうか
その考えが頭によぎる
ルブリスは気にせず続ける
『杖は「ニワトコの杖」、石は「蘇りの石」、マントは「透明マント」って言うんだ』
「やっぱり…」
どうやら予想は当たっていたらしい
やはり彼の持つ透明マントは「死の秘宝」のひとつだったのだ
『「死」はそれぞれを与えた
それから三兄弟は分かれて生きる事にした
1番上の兄は、「ニワトコの杖」のおかげでどんな決闘でも負ける事はなかった
だが、まあそんな杖があると言いふらしちゃ危ねぇわな
誰かに盗まれて殺されたんだよ』
「えぇ」