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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第23章 指輪の力



ピーチ色のホルターネックのフレアワンピースに、ワインレッドの刺繍が入っている綺麗な服
腰元のリボンが良い具合にアクセントになっているので、ドレスじゃなくても目立つようなデザインになっている

エルラとブローが張り切って用意してくれた物なのだが、あまりにもデザインに凝っているワンピースなので目立ちすぎていないか心配なのだ
おまけに、髪は後ろで団子にしているのだが、そこにガーネットの髪飾りを差し込んでいるので別の意味で輝いてしまっている

これは夜のパーティー向きの格好なのだろうか


「やっぱり派手じゃないかな?パンプスだってデザインが凝りすぎてるし…」
「いや、似合ってるぞ
確かにデザインは夜会向きじゃないけど、逆に気に入られると思う」
「? 何それ?」
「…」

ドラコは何も答えない

こんなに派手な服なのに気に入られるとはどういうことか
普通「常識を知らない」として白い目で見られるのだが

ピタッ

「あ、着いたみたい」

馬車が止まった

窓の外を見ると、立派なマルフォイ家の館が煌びやかにライトアップされていた

「うわぁ…私ドラコの館来た事ないけど、すごく立派だね」
「あぁ、ありがとう
父上の誇る先祖代々の館なんだ」
「綺麗…」

あまりの豪華さに言葉が出ない

豪華と言っても嫌な意味ではなく、余計な装飾がされていないので綺麗めな豪華だ



ガヤガヤ


「やっぱり夜会だから人が多いんだね…」
「確か、父上の職場の部下たちも来てるはず」
「そんなにたくさん?」

さすがマルフォイ家と言ったところか
それだけでも余程財力があるのだと分かる

うちもお金はある方だが、こんなにはない

(マルフォイ家はやっぱりいつの世も栄えてるんだね…)



屋敷に見とれていると、ドラコが手を差し伸べてきた

「ヴィオラ、行くぞ
あくまで友達として、堂々としてれば大丈夫だ」

その姿がなんだか頼もしく見えて

(やっぱり、ドラコも成長してるんだな)

そう感じた

「…分かった」

微笑んでその手を取る

いよいよだ


呼吸をして準備を整える

自分を貫くために
決してドラコの婚約者と見せないように



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