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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第21章 秘密の部屋



「君が何をしようと構わないが、邪魔はさせないよ」
「ッ!」

力が強い

日記のくせに思いのほか力があった
振りほどこうと抵抗しても振りほどけない


目の前ではバジリスクがハリーに襲いかかろうとしている
ハリーも逃げているが、バジリスクは目が見えなくても厄介な存在だ
音で全てが分かってしまう

しかしその時

「「!」」

鳥の鳴き声が聞こえた

歌うような、綺麗な鳴き声

「フォークス!」

不死鳥のフォークス

やっと来てくれた

フォークスはバジリスクに構わず、組み分け帽子の方に飛ぶ
そして、グリフィンドールの剣を足で掴み、ハリーへと投げた


パシ!


ハリーは上手く受け取り、バジリスクに相対する

不慣れな剣を構えて、戦う体制になっている


「っ」

見守る事しか出来ない歯がゆさが胸の中に広がる

自分は今何も出来ていない
ハリーを助けれていない



すると、耳元でトムが言った

「ヴィオラ、僕がいなくなったら、その時はバジリスクの牙を一つ持っていて欲しい」
「え?」

バジリスクの牙

なぜそんなものを「持っていて」と言うのだろう

?を浮かべるヴィオラを気にせず、トムは続ける


「バジリスクの体から牙を抜いて、大事に持っていて欲しいんだ
頼んだよ?」
「……」

(どういうこと…?)

「わっ!」

トムの腕の中から放り出された
背中を押され、トムから離れたのだ

顔の向きがハリーのいる方向になったので、今の状況がどうなっているか見えた

ちょうど、ハリーが剣をバジリスクに刺したところだ
口の中に刺し入れ、バジリスクが絶命しようとしていた


(腕に牙が刺さってる…急いで治療しないと)


バジリスクの毒牙が深く刺さっていた
痛そうだ
ハリーの表情は苦悶に歪むも、懸命にバジリスクに剣を刺している

そして、バジリスクは亡くなった


ドオォ

床に大きな音を立てて死んでしまった











ピチャピチャ

ハリーが歩いてくる
今にも倒れそうにふらついて
見ていられなかったので近寄って支えながら歩かせた

「ハリー…」
「大丈夫、心配しないで」




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