第21章 秘密の部屋
両者の意見は全く違う
とても共通点がある2人なのに、自分自身の選択によってここまで分かれたのだ
「……………」
二人のその様子に、口を挟めなかった
ジニーを気遣いながら何とか応急処置の呪文をかけているが、効き目は無さそうだ
そんな事をしていると、鳥の鳴き声が聞こえた
綺麗な、歌うような鳴き声
「フォークス?」
不死鳥のフォークス
ダンブルドアの使い魔だ
フォークスは組み分け帽子をハリーの元に投げ、飛んで行った
トムがそれに呆れたように言う
「ダンブルドアが味方に送ってきたのはそんなものか?
歌い鳥に、古帽子じゃないか」
『シハース・アンガタス・セリセイン』
トムが蛇語を唱えた
すると、奥の像が動き出す
ガコン
ガコン
バシャー!!
来た
バジリスクだ
「サラザール・スリザリンの継承者であるヴォルデモート卿と、かの有名なハリー・ポッターとでお手合わせ願おうか」
バジリスクは水の中から現れ、トムの言う事を聞くかのように動く
トムが蛇語で何か言ったので、そのままハリーに襲いかかった
「ハリー!」
「パーセルタングを唱えても無駄だぞ、僕だけに従う」
トムがそう言う
そのままハリーは逃げ続けるが、バジリスクは早い
すぐに追い付かれてしまう
(駄目だ!フォークスが来るにしても時間を稼がないとッ!)
もしもバジリスクと戦う時のために、あるものを用意しておいた
それを持ってハリーへと駆けつける
「目を閉じて!」
「ッ!」
バッ!
咄嗟に鏡をバジリスクの目の前に突き出す
初めは鳴いていたが、次第に固まって動けなくなった
「何だ?何をした?」
トムが疑問の声をあげる
ヴィオラの持つこの鏡
これはただの鏡ではない
3週間
およそ3週間ほど聖水に付け、魔法をかけた「聖なる鏡」というものだ
この「聖なる鏡」は呪文や魔法を反射する
それがたとえバジリスクの目でも
石化や殺害の能力を反射する力がある
まあ、バジリスクは自分の目を自分で直接は見れないので鏡越しに見る事になる
だからしばらくの間石になるだけだ
「何の対策も無しにここに来ると思った?」