第21章 秘密の部屋
「そんな……ジニーだなんて、そんなはずっ」
「穢れた血と猫にバジリスクをけしかけたのも、壁に脅迫の文字を書いたのも、ジニーだ
正確には彼女を操っていた僕だが」
「なぜ!?」
「僕が命じたからさ、僕の思いのままに操れるんだ
ジニーは自分では気付いていない、いわば催眠状態だからね
だがだんだん、日記の力が恐ろしくなり、女子トイレに捨てようとした
すると…なんと君が拾ってくれた
僕が会いたくてたまらなかった君がね」
「どうして僕に会いたかったの?」
「君と話をしなければと思っていた
君を信用させるため、マヌケなハグリッドを捕まえた場面を見せたんだ」
「君がハグリッドをはめたんだな?」
「皆僕の方を信じた、ダンブルドアだけは違ったようだが」
「君の事は全てお見通しだったんだ」
「それ以来ダンブルドアは僕を監視するようになってね
だから在学中に秘密の部屋を開けるのは危険だと思い、日記に託すことにした
16歳の自分を日記に保存し、いつの日かサラザール・スリザリンの崇高な仕事を成し遂げようと考えたのだ」
「成し遂げてないじゃないか、あと数時間経てばマンドレイク薬が出来上がる
石にされた人達は皆元に戻るんだ」
「言ってなかったかな?穢れた血を殺す事などもうどうでもいい
ここ数ヶ月、僕の狙いは君だった
これといって特別な魔力も持たない赤ん坊が、どうやって偉大なる魔法使いを破ることが出来たんだ?」
「ヴォルデモートは君より後の人だろ?」
「ヴォルデモートは、僕の過去であり、現在であり、未来なのだ」
トムはそう言い、ハリーの杖で空中に字を書いた
トム・マールヴォロ・リドル
彼自身の名前
それを書き換え、名前は「ヴォルデモート」になった
ハリーもそれに息を飲み、静かに言った
「君が…スリザリンの継承者?」
「その通り
この僕が汚らわしいマグルの父親の名前をいつまでも使うと思うか?
NOだ
自分で新しい名をつけた
僕が最も偉大な魔法使いになった時、皆が口にする事を恐れるであろう名前を!」
「最も偉大な魔法使いは、アルバス・ダンブルドアだ!」
「やつは僕の記憶に過ぎないものによって追放された!」
「いなくなったりはしない!彼を心から信じる者がいる限り!」