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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第21章 秘密の部屋



「ヴィー」
「!」

また呼ばれた
それで顔を上げると、やはり彼は幸せそうだ

そのまま見つめ続ける
そして

「ありがとう」

トムはこう言った


「…」

その言葉の意味が分からず、ただトムを見つめ、佇むしかなかった







パタパタ

「!」

足音がした

こちらに近づいてくる音

(ハリーだ)


影からゆっくりと姿を現す

やはりそこには、見知った自分の同級生がいた

「ハリー!」
「ヴィオラ!」

ハリーはヴィオラを見て、駆け寄ってくる
その顔は、心配が浮かんでいた

「大丈夫!?連れ去られたって文字が!」
「ハリー落ち着いて、私は大丈夫だから」
「良かった…」
「ごめんね心配かけて」
「無事ならそれでいいんだ」

ハリーは微笑んでそう言ってくれた

そして、彼は少し視線をずらし、横たわっているジニーを見つけた


「ジニー!」

ハリーは慌てて駆け寄る
ヴィオラもついて行き、しゃがんでジニーを見た

「私が起きた時にはこうなってたの…」
「そんな!ねぇ死んじゃ駄目だ!起きて!目を覚まして!お願い!目を覚まして!」

「目は覚めないよ」


トムだ
いつの間にか後ろに移動していた

ハリーも気付き、彼と会話する


「トム?トム・リドル?目が覚めないってどういうこと!?まさか……」
「生きてはいるよ、辛うじてだが」
「君はゴースト?」
「記憶だよ、50年間日記の中にあった」

トムは無機質にそう答える

ハリーはジニーに向き直り、必死に起きるよう呼びかけた
しかし目覚めない

その間に、トムはハリーの杖を取った

「トム、手を貸して!バジリスクがいるんだ!」
「呼ばれるまでは来ないよ」

ハリーもトムが杖を奪ったことに気が付いた
明らかに怪しいので、ハリーは少し強めに言った

「僕の杖をよこして」
「必要にはならない」
「ここから出てジニーを助けなくちゃ!」
「残念だがそれは出来ないね、ジニーが弱るほど僕は強くなれる
そうだよハリー、秘密の部屋を開けたのはジニー・ウィーズリーだ」

トムはそう告げた

ハリーは信じられないので、目を見開き、即座に否定した




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