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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第21章 秘密の部屋



静かにそう言った
だがその声は部屋中に響き渡る

「…………………」

トムは黙っていた
答えたくないと言うよりどう答えるか考えているようだった

なぜ闇に堕ちたのか
自分の出世を心から祝ってくれる優しい友達がいながら、なぜ人殺しなんてしたのか
そんな事をすれば、魂が穢れてしまうのに

しばらくして、トムは口を開いた


「マグルを追放するためだ、これ以上君に言う必要は無い」
「……………」

そう言われてしまった


「これで話は終わりか?なら帰りたまえ、この通路を進めば帰れる」
「秘密の部屋の場所を知ってる私を簡単に返すの?」
「殺されたいのか?」
「そんな簡単には殺されないけど、あなたの行動の意味が分からない」
「………………………」

何か挑発しなければ

バジリスクを出してもらわなければ
ジニーを助けられない

「この日記と、あなたの弱点を知ってる私がいたら邪魔なんじゃない?今のうちにバジリスクで殺しておくべきだと思うけど」
「僕の弱点を知っている?なら教えておくれ、弱点とは何だ?ダンブルドアとでも言うつもりか?」
「分霊箱」
「!」
「全ての分霊箱を壊せば、あなたは死ぬ」
「…」

やはりこれは正解だったようだ
トムが揺らいだのを感じる

確か分霊箱は7つあった
日記と、ペンダントと、あと5つ
最後までを知らないから自分には分からない
でもきっと、ハリー達ならやってくれる











「君の持つ指輪を見せろ」
「へ?指輪?」
「ゴーント家の指輪だ」
「!」

そう言われたのでスカートのポケットから指輪を取り出す
黒いダイヤに、金のリング

トムに見せた

「やはりそれは僕の母方の実家の指輪のようだね」
「母方?父方じゃなかったっけ?」
「あんなマグルの指輪を僕が気にすると思うか?」

確かに
言われてみればそうだ

記憶が曖昧になってきてしまったのか

(まだおばあさんになるのは嫌だなぁ…)

こんな時でも呑気なヴィオラに拍手を送ろう




トムは指輪を受け取り、何やらじーっと見つめている


「魔法が解けている……それでも石本来の力が弱いな……」
「何を…」
「手貸して」




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