第4章 受け継がれる愛の魔法
「そうだったんだ〜、あなた飼い犬……じゃなくて飼い狼だったんだね」
狼に言うと、なんとも言えない微妙な顔をしてしまった
理由が分からず?を頭に浮かべていたが、すぐに開き直りダニー達へと向き直る
「パパ、この子どうするの?マグル達でもこんなに大きな狼見たことないから多分騒ぎになっちゃうよ?」
「ああ、それは大丈夫だから心配しないで、この子は一人で帰れるから」
「そうなの?賢いねえ!」
「ヴィオラ、もう中に入りましょう、ご飯一緒に食べましょうね」
「分かった、それじゃあ狼さん、ばいばーい!」
狼に手を振って部屋へと入る
(それにしてもあの狼、なんか見た事あるな……会ったことはないし、狼のキャラクターなんて「ハリーポッター」にいたっけ?)
ご飯を食べながら思考を巡らせる
だがやはりわからず、ヴィオラは気にせずご飯を食べた
「はぁ……リーマス、一体どうしたんだい、狼としてあの子の前に現れるなんて……」
「クゥン」
「あなた」
「!…エルラ」
エルラは困った顔をしてドアから出てきて二人に話しかける
この大きな狼
ヴィオラの言った「でっけえ犬」はあの最高の闇の魔術に対する防衛術の先生
R・J・ルーピンだ
「全く、リーマスおどかさないで、セブルスに渡しておいた薬が無くなったのね」
「ワン」
「ほら、これが今月の分よ、ちゃんと忘れずに飲んでね」
「ワン!」
エルラは狼リーマスに薬を手渡す
小さな瓶の中に丸薬が何粒も入っており、リーマスはその中から二粒取り出して飲み込んだ
するとみるみる、狼は人間の姿に戻っていく
尻尾がポンと音を立ててなくなりそこにはルーピン先生がいた
「はあ、やっと人心地つけた、ありがとうエルラ」
「本当よ」
「リーマス、どうしてうちの森にいたんだい」
「満月の前にセブルスに薬を貰おうとしたら無いと言われてね、急いでここに来ようとしたが、どうも月の観測がズレてしまっていたみたいで今日だということが分からなかったんだ」
「そうだったのか」
「自我を保ったままの薬はあったから飲み込んで人目のつかないように移動して森に来たけど、うっかり道を踏み外してしまって怪我を負ったんだ」
「そんな、どこを怪我してるの?」