第20章 日記
まぶしい光が辺りを照らす
ジニーもその光に目を瞑っている
「何これっ、ヴィオラ!」
「ごめんねジニー、ちょっと行ってくる」
「え!?」
光に吸い込まれるような感じがする
体を持っていかれそうな感じ
日記を見ると、また何か出てきた
『この日記に関する記憶をお教えします、ヴィオラ、あなたならきっと』
(え?なに?)
続きが浮き出てきたのに光のせいで見えない
ジニーが自分を呼ぶ声がする
だが残念ながら、それは届かない
そのまま、意識を失った
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目を覚ますと、そこはホグワーツだった
おそらくホグワーツの森の中だろう
何故か、自分は木の上にいた
正確に言えば、木の上にある秘密基地のような家
布が天蓋の役目をしており、カーテンのようになっている
カーテンの隙間からはホグワーツの広大な土地が
たくさんの魔法生物達が見えた
そして、その秘密基地の真ん中
不思議な少女とトム・リドルがいた
しかし、少女の顔が見えない
髪の色も瞳の色も顔付きも、何も分からない
分かるのは声だけだ
「トム!監督生おめでとう!!」
(あれは、5年生のトム・リドル?)
少女は「監督生」と言った
つまりは5年生だと分かる
少女は何やら本を持っていた
「はいこれ、就任祝い」
「これは、日記?」
「うん、トムって確か暗い色が好きだったでしょ?だから黒にしたの」
「ありがとう、嬉しいよ」
トムは、映画では見たことも無い笑顔で嬉しそうにした
たぶんセドリックと同じ部類の人間だ
爽やかイケメンというやつ
「スリザリンでもかなり優秀だもんね〜、これから頑張って!」
「もちろん、ただ面倒臭いのは嫌いだな…」
「あはは…」
少女とトムは仲良さそうに話している
その光景に驚いた
トム・リドルもといヴォルデモートは、こんな風な人間ではなかったから
今、自分の目の前にいるこの少年は、少女に完全に心を許しているように思えた