第20章 日記
とりあえずココアを飲んで気分を落ち着ける
コクリ
「美味しい……」
隣でジニーがそう呟く
ココアを飲んだようだ
これで彼女の知る事実を聞き出せる
(ハリーの事も聞けるかな?)
「(ワクワク)」
なんだか悪いことをしてる気分だが見ないふりをしておこう
「ふぅ、良かった、顔色が戻ったみたいだね」
「私、そんなに顔色悪かった?」
「うん、少し寝不足の人みたいな顔してた」
「やっぱり……」
「……何かあったの?」
「……あ」
やはり渋って中々話さない
1滴とは言っても話しやすいようにするだけなので効果はあまりないのだ
まあ粘るしかない
「大丈夫だよ、それがたとえハリーのことでも黙っておいてあげるから」
「もう!またそうやって…」
「あはは、まあ相談に乗るのは冗談じゃないから、ほらほら?お姉さんに任せなさい!」
「…実は……」
(きた!)
心を落ち着けて耳を傾ける
ジニーはゆっくりと語り出した
「あまり眠れてないの…日記のせいで…
入学前のあの本屋の時、知らない日記が私のバケツの中にあったの」
「やっぱり…」
「え?」
「何でもない、続けて?」
やはりあの時ルシウスが仕込んでいたのだ
疎まうほどのウィーズリー家を失墜させるために、彼女を利用した
怒りが溢れそうになるが抑える
「白紙だったから試しに出来事を書いたの、そしたら……」
トム・リドルが返事をくれたのだそう
それからジニーは自分だけの相談相手が出来たようで嬉しくなり、出来事だけじゃなく自分の思いも書き込むようになったと
日記がインクを吸い取るので兄弟達にもからかわれないから、ずっと保管していたと
『「今日は、ハリーと話すことが出来た」っと』
スウー
『勇気を振り絞ったおかげだね、ジニーは勇敢だ、僕も応援するよ、だから頑張って』
『あぁ、ありがとうトム』
こんなふうに何度も書き続けたそう
その度にトムは返事をくれ、ジニーに共感してくれたという
「すごく嬉しかった、いつもフレッドやジョージからからかわれてたから、すごく安心したの、でも……だんだん、記憶が断片的になくなってきた…それで…」
「日記を女子トイレに捨てた?」
「(コクリ)」