第20章 日記
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夕方の談話室
いつもなら皆くつろいで世間話やら何やらしているのに、今日はあまり人がいなかった
自分の寮とはいえ、油断出来ないから出歩かない
特にマグル生まれの子がだ
石になるのを恐れ、必要な時以外は部屋から出て来なくなった
ミアやユエンユエンもマグルなので、ヴィオラが念の為と説得した
ハーマイオニーでさえ石になったのだから彼女達が外に出るには危険すぎる
そして、彼女達のお守りをキャシーが担当した
「…………………………」
今、ヴィオラはココアを汲んでいる
そこのソファに座ってため息ばかりついているジニーのためだ
コポコポ
寮の飲み物はとても美味しい
おまけに魔法で紅茶やかぼちゃジュースが汲み取られるのだ
下にある巨大なキッチンに繋がっており、そこでは屋敷しもべが働いている
講堂に出てくる料理も彼らが作ったもの
「さて」
ポケットからベリタセラムを取り出す
(綺麗だなぁ)
暖炉の火に照らしてみると、キラキラと光って綺麗な液体だった
「…」
周りに気付かれないように小瓶を振る
1滴で心がほぐされ、2滴で脳の機能を妨げる
そして3滴で、自白効果を表す
だから今回は1滴だけだ
(よし、赤いのがジニーで黄色いのが私の分と)
ジニーの元へ運ぶ
「ジニー、ココアどうぞ」
「あっ、ありがとうヴィオラ」
ぎこちなさそうにココアを受け取る
やはり日記の事で悩んでいるのだろう
「学校はもう慣れた?授業とか友達関係とか」
「えぇ、とても楽しいわ…」
「……」
「楽しい」とは言うものの、その表情は暗い
とにかく、日記の話に繋げなければ
「何か困った事とかない?私で良ければ何でも聞くよ
大好きなあの子の話とか」
耳元で小声で言った
するとジニーはなんて分かりやすい
ボン!と顔を赤くした
(いやぁー、可愛いなぁ)
「ふふ、図星だった?」
「ハ、ハリーにはただ憧れてるだけで!」
「あ、ハリーなんだね、教えてくれてありがとう」
「〜っ」
ますますニヤケてしまう
知ってはいたが自分で白状してくれた