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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第19章 蜘蛛の王



蜘蛛は吹き飛んでいく

そのまま車は走り続け、森を出ようとする
未だ蜘蛛は追いかけてくるのでロンに叫んだ

「ロン!もっと早く出来ないの?!」
「これが限界!」
「空飛んで!」
「飛行ギアが動かないんだよ!」
「どうでもいいけど運転上手だね!」
「ありがとう!」

ほんとにどうでもいいけど…。







車に揺られ揺られしばらく経ち

やっと、逃げ切る事が出来た






「「うわぁ!」」

車から追い出されてしまった

(い、痛い……)

「うぅ〜」
「だ、大丈夫?」
「何とか…」

隣ではハリーも同じような状態で、腰を抑えながら起き上がろうとしていた

全身が打ち付けられたようでひどく痛い
これは明日も痛むだろう


「蜘蛛を追っかけろだって?酷い目にあったよ!ハグリッドがアズカバンから出てきたらとっちめてやる!!」

ロンは一人ハグリッドへと届かぬ叫びを叫んでいた
まぁ、気持ちは分かる
死にかけてたのにこうして命が助かったのだから万々歳だが

今度ハネピラニアを釣って来ようか?






「ヴィオラは平気?」
「うん、平気平気、お腹は痛いけどね…」
「突然倒れたから、びっくりしたよ」
「倒れた?だから車の中で眠ってたのね」

ハリーの言葉に驚いた
蜘蛛に食べられそうになったのに突然倒れ、眠っていたのか
ハリーやクィレルは自分を車の中に運ぶのを苦労したに違いない

申し訳なさが溢れてくる

「ごめんね、足でまといになっちゃった」
「気にしなくていいさ、こうして無事に戻れたんだし」
「そうだね、でも蜘蛛は二度とごめんだ」
「あはは」

相変わらずのロンだ
改めて、この2人が好きだと感じた








「結局、ハグリッドは犯人ではなかったな」
「………………」

クィレルが呟く
それは、もう分かりきっていた事

(森に行かなくても良かったんじゃ……)

何か他に方法があったのではないか
安全にアラゴグと話させる方法があったのではないか

自分は物語を知っているのに、大事な場面でいつも守りきれていない

とても無力だ

もっと上手く立ち回る賢さがあれば



「…………………………」





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