第19章 蜘蛛の王
これ、何?
なんなんだろう
誰の記憶なんだろう?
『違います!ハグリッドじゃありません!』
『落ち着きなさいコール』
『リドルが捕まえてくれたんですよ?』
『…え?』
『なんで…』
『襲撃の犯人を捕まえたんだ、安心して、これでもう誰も死ぬことは無いよ』
『でも、絶対にハグリッドじゃないの』
『いいや、彼は飼育禁止の蜘蛛を育てていたんだ』
『っそれは!』
『…君は知っていたの?』
『……………』
『…誰にも言ってはいけないよ?校長にも、ハグリッドにも、ダンブルドアにも』
あぁ、そうだ、これを知ってる
私はこれを知ってる
でもなんだったろう
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「ん」
パチリ
「シャー!」
「…うぎゃぁぁぁぁああああ!!」
ドッ!
「はぁ、はぁ!」
(え?な、なんで!?)
目が覚めた
しかし、目が覚めた途端、1匹の蜘蛛が目の前にやって来ていた
思わず蹴り飛ばしてしまったが、状況が分からない
するといきなりハリーの声がした
「起きたのヴィオラ?!」
「大丈夫かマリエレンダ!」
「え?え?」
何故だか切羽詰まったように話しかけられる
改めて自分の周りを見ると、そこは車だった
車の中で後頭部座席に座っており、そこで眠っていたようだ
そして
『ステューピファイ!(麻痺せよ)』
『アラーニアエグズメイ!(蜘蛛よ去れ)』
クィレルとハリーが蜘蛛を追い払うために呪文を唱えまくっていた
(え?もう車のシーンに入ったの?)
見れば運転席ではロンが怯えながら、必死に車を走らせていた
「もっとスピード上げて!」
「頑張ってるよ!」
ハリーとロンが言い合いしている
とにかく、今は蜘蛛に襲われる場面のはずだ
ならば蜘蛛を追い払って無事に帰らなければ
『フリペンド!(撃て)』
「ギャァ!」
蜘蛛が鳴いて飛んでいく
そのまま、3人で呪文を放ち続ける
『ステューピファイ!(麻痺せよ)』
『アラーニアエグズメイ!(蜘蛛よ去れ)』
『フリペンド!(撃て)』