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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第19章 蜘蛛の王



「君達の話では、ハグリッドが手がかりを残してくれたはずだ
何か心当たりは?」
「…蜘蛛の後を追えって………」

ロンが思い出して呟く
彼はそれを言い残してアズカバンに行ってしまった
なら行くしかないのだろうか?

「でも、蜘蛛の後は森まで続いてる
真夜中に森に行くなんて危なすぎるよ」

ヴィオラはそう言った

実際、原作でも二人はアラゴグに襲われてしまう
あそこから生きて戻れたのは奇跡だ
運が良かったとしか言い様がない
もし、原作通りに問題なく進むとしても危険がありすぎる

「なら蜘蛛の後を追おう、私もついて行く」
「クィレル先生っ、それは…」
「良いんだ、ホグワーツが閉鎖されるのは私も望まない
そして何より……」

クィレルはそこで言葉を止めた
そして、ハリーに向き、言った

「私は、ポッターを守ると誓った」

そう、彼は言った

ハリーを守ると
守ると誓ったと、彼は言った

ハリーとクィレルは見つめ合う

「すまなかったポッター、取り返しのつかないことをした」

クィレルは深々と頭を下げる
ヴィオラは、ロンと顔を見合わせ、ハリーは静かに息を飲んだ

「どんなに言い訳をしても許されないだろう、君を殺そうとしたのだから
だが、本当にすまなかった」
「……………………」

(ハリー……)

これをどうするのか

ハリーはクィレルを許すのだろうか

ただ彼の回答を待つ

「………僕は」
「…」
「僕は、ただ石を守りたかっただけです、それに一緒にいたヴィオラが許してるなら、僕もそうしようと思うから…
謝る必要はありません」
「!」

クィレルは思わずと言うように頭を上げ、目を見開いた

「私を、許すというのか?」

その問いにハリーは少し微笑んで頷く
それでクィレルも微笑み、「ありがとう」と言った
そして、出会った時のように、握手を交わした

(良かったね、クィレル先生)

ヴィオラは、その様子を微笑ましそうに見ていた








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