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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第19章 蜘蛛の王



ハグリッドに促され、中へと入る
お茶を入れてもらい、椅子に座った
ところが

カタカタカタ

ハグリッドの手が震えている
カップを持つ手が震えて、お茶がこぼれてしまっている

「ハグリッド大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」

ハリーが聞いてもハグリッドの様子は変わらない
何かに怯えたように震え、顔色が悪くなっていく
この不審さは3人全員が感じ取り、何か変だと思った

ハリーが聞く

「ハーマイオニーの事聞いた?」
「あぁ、聞いた、聞いたとも」
「僕ら聞きたい事があるんだ
………秘密の部屋を開けたのは誰か知ってる?」
「!」

ハグリッドの動きがピタッと止まった
間違いなく、「秘密の部屋」に反応した

ハリーの視線がどういうものなのかを悟り、彼は言う

「はぁ、分かってもらいてぇんだが…」

コンコン

「「!」」

ノック音だ
誰かがやって来た

「早くマントを被れ、声出すんじゃねえぞ、静かにな?」

コクコクと頷き、大人しくマントを被る
隅っこの方へと移動し、ハグリッドが扉を開けるのを見守った

ガチャ

「おっ、ダンブルドア先生」
「こんばんはハグリッド」
「さぁ、どうぞ」

ハグリッドがそう言うので、ダンブルドアが入ってくる
そして、ダンブルドアの後に入ってくる男性もいた

(あれ…)

「魔法省大臣だ」
「大臣?」

小声でそう呟いた
ハリーがオウム返ししてきたので、説明する

「あの人、コーネリウス・ファッジ、私のお父さんとロンのお父さんの上司だよ、魔法省のお偉いさん」
「そんな人が?」
「うん、パパのボスだ、でもなんでこんな所に…」

ロンが疑問を口にする
こんな小さな小屋に、魔法省大臣が真夜中にやってくる事なんてそうそうないのだ
だから彼のその疑問も無理もない

それに答えるかのようにダンブルドアとコーネリウスは話す

「状況は良くない、すこぶる良くない
残念ながらマグル生まれが3人もやられたとあっては魔法省も動かん訳にはいかん」
「俺は何もしてねぇ、本当でさぁ先生」
「コーネリウス、わしはのう、このハグリッドに全幅の信頼を置いておる」

ダンブルドアの優しく冷静な声に、ハグリッドが落ち着いたのを感じる



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