第19章 蜘蛛の王
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「皆さん静かに!事件が続いたため、たった今から新しい規則を設けます」
マクゴナガルが言う
「新しい規則」とは、石になった生徒が増えすぎたため、ダンブルドアと考えたのだろう
ハーマイオニーを思い出す
「……………………」
「全校生徒は夕方6時までに各寮の談話室に戻ること
授業に行く時は必ず先生が引率します
例外はありません
残念ですが、一連の襲撃の犯人が捕まらない限り、学校の閉鎖も考えられます…」
マクゴナガルの言葉がひどく、重く響いてくる
「学校の閉鎖」、そんな事になればもうホグワーツは終わりだ
せっかく仲良くなった皆とも、別れることになる
「ロン、ヴィオラ、ハグリッドと話そう
もしも50年前、怪物を放したのがハグリッドなら秘密の部屋への入り口も知っているはずだ
それが糸口だよ」
「でも、マクゴナガルが授業の時以外、寮から出るなって」
「………」
しばらく黙って、ハリーは考える
「パパの透明マントを使う時がきた」
「ちょっとロン、足踏んでる!」
「あぁ、ごめん」
透明マントに隠れて小屋へと進み30分
なんやかんやあって、無事辿り着いた
ロンに思いっ切り踏まれて痛かったり……
そして、透明マントの使い勝手の良さに改めて感心した
「本当にこのマント便利だね」
「僕のパパの物だよ、クリスマスに知らない人から送られた」
「知らない人って……」
恐らくそれはダンブルドアだ
小説でも映画でも、それは細長い文字で書かれていた
そして、細長い文字を書くと表記されているのはダンブルドアだけ
この事からダンブルドアだと分かる
ハリーがそれを知る事になるのかは覚えていないけど、ただ直感的に教えない方が良いと思った
小屋の前に立ち、ドアをノックする
コンコンコン
「誰だ」
扉の向こうからハグリッドの声がする
明らかにこちらを警戒する声だ
「誰だ…」
と、ハグリッドが扉を開けたのでハリーはマントを取り、姿をあらわにした
「はぁ……」
来たのがハリーとロンとヴィオラだと知り安心したようで、持っていた弓を下ろす
「その弓は?」
「何でもねぇ、ただひょっとしたら……何でもねぇ、入れ、茶入れたとこだ」