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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第4章 受け継がれる愛の魔法




すると、さっきまでの怪我が嘘のように足は完治しており、毛並みもつやつやで綺麗になっていた

「お、お嬢様、これは」

ブローが声を出した
彼の声は信じられないと言うかのように息を飲みながら発していた

黒犬が足を動かす
足は問題なく動き、痛そうにする素振りもない

「や、やった、足治ったああ!!」

「良かったああ!」といい黒犬に抱きつく
黒犬は目を白黒させ戸惑っていたが、しばらくすると頬を擦り寄せてきた

「わあ、ふふ、もう大丈夫だよ!」

きゃっきゃっと黒犬をもふもふする
毛並みも良くすごく心地いい肌触りだった

「お嬢様、一体どうやって……」
「あー、それが、分からないの、頭の中にぱっと浮かんで……」

神様の事を話しても長くなるだけなので半分嘘をついた

(分からないっていうのはほんとだもんねー、なんで治せるかは知らないし)

「そうだ!ご飯!」
「あ、そうでしたね、こちらにあります」

ブローがヴィオラの言葉で思い出し、箱を取り出す
中にはたくさんの肉や野菜が詰め込まれており、「ブローの特製弁当」といって売り出せばたくさん売れそうなほど中身が綺麗な箱だった


「どうぞ黒犬さん!ブローの料理は美味しいんだよ〜」

そう促すと、黒犬はガツガツとご飯を食べる
本当に美味しそうに食べており、見てるこっちがお腹が空いてくる

「あの、お嬢様」
「んー?どうしたの?」
「その、大変申し上げにくいのですが……」
「??」
「この方は、黒犬ではなく、狼ですよ?」
「……」
「……」
「え、うそ」
「本当です」
「あ、あなた狼だったんだ、言ってくれればよかったのにっ」

そういうと狼は困ったようにヴィオラを見上げた
ヴィオラはブローの言葉に納得したようにつぶやく

「まあ、言われてみれば狼だよね、犬にしてはデカすぎるもんね、最初「でっけえ犬」って思っちゃったよ」
「お嬢様…………」

気がつくと、狼は全て食べ終えていた
狼は「クゥン」と鳴く

「元気になってよかったあ、うちじゃさすがに狼は飼えないからごめんね、それに大自然に生きる方が狼さんもいいよね」

そう話しかけると狼はなんとも言えないように鼻を鳴らした

「お嬢様、そろそろ帰りましょう、恐らく旦那様達はもう帰ってきているかと…」
「そうだね、帰ろうか」


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