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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第19章 蜘蛛の王



「で、どこに向かってるんだよ?わざわざクィディッチを放棄して急ぐ事があるの?」
「あるから放棄したんだよ、もしかしたらハーマイオニーが危ないかも」
「なんで?」
「…………………」

ロンの問いに、どう答えるべきか悩む
未来を知っているなんて言えないし、下手な言い訳も思い付かない

「……………嫌な…」
「ん?」
「嫌な予感がするの………ハーマイオニーはマグルだから、もしかしたら襲われるかもしれないっていう胸騒ぎがする」
「考え過ぎじゃない?ハーマイオニーは僕とハリーがかかっても倒せないやつだぜ?」
「それはそうだけど……」
「認めちゃダメでしょ……」

思わず納得してしまった
確かに彼女はハリーとロンがかかっても一瞬で塵に帰してしまうだろう
一年生とはいえ、彼女にはその実力と賢さがある
組み分け帽子も、グリフィンドールとレイブンクローで迷ったらしい
なんせ、レイブンクローは知識を重んずる生徒が入る場所だからだ
そのため、レイブンクローからは独創的な魔法使いや魔女が生まれる


(でも、いくらハーマイオニーでもバジリスクには勝てないから……)

ハーマイオニーは結局石になるのは防げなかった
手がかりは残してくれたが、ハーマイオニーがいないだけで二人は苦労してしまう
彼女まで石になる必要は無い





図書室まで急ぐ



「で、ハーマイオニーを探せばいいわけ?」
「そう、探して、図書室から連れ出すの」
「でもさ、もしその犯人と出くわしたら図書室にいるやつら全員が石にされるんじゃないの?」
「その前にきっとフリットウィック先生が何とかしてくれるよ」

指を指してフリットウィックがいる方を示す
そっちでは、フリットウィックがその小柄な体で脚立に登り、本を取っているのが目に入る

「相変わらずちっちゃいね」
「やめなよ、吹き飛ばされても知らないよ?」
「…うぅ」

フリットウィックならやりそうだ
ロンもそれを察し、ぶるっと震えた
もしそんな事になっても自分には止められないので、手を合わせて無事を祈ろうと思う

「あっ、そうだ、石化防止のためにこれ」

ローブのポケットから小さな丸い物体を取り出す

「手鏡?」




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