第18章 君と学ぶひと時を
「わぁ、もうこんな時間」
ヴィオラが呟く
ふいに時計を見ると、秒針は7を示していた
そんな長い時間も勉強していたのかと驚いてしまう
セドリックは言う
「もう帰らないとね」
「そうだね、それじゃ出る準備しよっか」
図書室から借りた本などを元の場所に戻していく
(これはこっちで……数占いの本はこっちか……)
「ふっ、く!」
「く?」
何か踏ん張っているような声がする
ずっと奥の本棚からだ
「ふん!」
(何してるんだ?)
覗いてみると、ヴィオラが一冊の本を上の棚へと入れようとしていた
だが、棚は高く、彼女の身長では届かないので踏ん張っていたようだ
「ぷっ」
「へ?あ〜!今笑ったでしょ!」
「いや、笑ってないよ」
その様子が面白くて笑ってしまった
彼女はフンス!と拗ねて本を直そうとする
「ほら、貸して」
「あ、」
背伸びをしても届きそうにないので代わりに直すことにした
本を彼女から取り、棚に入れる
「これでいい?」
「うん、ありがとう」
「機嫌直ったみたいで良かったよ」
「っ」
からかうようにそう言ったのでヴィオラは少し顔を赤らめた
本当に、その様子がおかしくて笑ってしまう
「もう!」
「ごめんごめん」
再度悪くなった機嫌を直してから荷物を取り、一緒に帰る
図書室から出て、寮へと歩く
スタスタスタ
「あれ?ハッフルパフ寮はあっちでしょ?」
道中、ヴィオラが振り向いてそう聞いてきた
確かにハッフルパフ寮はグリフィンドール寮の奥にある
彼女の言う通り、これじゃ回り道だ
でも
「今は何かと物騒だろ?だから送っていくよ」
「そんな大袈裟だよ、それに、もう談話室に近いし…」
「それでもだよ、危ないから送っていく」
セドリックが念を押して言う
ヴィオラは申し訳なさそうにして、「ありがとう」と言った
そして、最後まで送って行った
「お!おかえりセドリック」
「パーカー?まさかずっと待ってたのか?」
「そんなわけねぇだろ、もうそろそろかなと思って感想ききに来たんだよ」
「感想って……」