第18章 君と学ぶひと時を
パーカーの言う通り
彼らの大半が、少し怯えたような顔をしている
石になるのを恐れているのだ
「……犯人が捕まればいいんだけどな」
「だがそれもいつかは分からないだろ?余程の大物じゃなけりゃ、ダンブルドア達が対処してるって」
「そうだな…」
今はマグル達にとっては最悪の時期だ
いつ襲われるか分からない
もしかしたら殺されるかもしれない
そんな不安があってたまらないだろう
あんな光景を見たら笑ってはいられない
だが、こんな時にこそ笑っていなければ、マグルも純血も精神的に参ってしまうだろう
「君は平気なのか?」
「あれ?俺の心配してくれんの?」
「君だってマグルだろ?」
「そりゃそうだけど、ビクビクしてたってなぁ〜っていう考えなんで」
そう言って、パーカーは肩をすくめる
彼はいつもそうだ
どんな時でも「なんとかなるさ」と言って気楽に生きている
ただ単にパーカーは面倒くさがりなのだが、セドリックはその気楽さに救われた事が何度もある
「それじゃ、ほら、もう行けよ
可愛いガールフレンドが待ってるぞ?」
「だから、彼女はそんなんじゃないって」
「よく言うなぁ、聞いた話だと、結構人気高いぞ?」
「人気?」
「一年生でクィディッチチームに選ばれた少女
しかも容姿端麗、性格も比較的温和、ここまできたらファーストキスは時間の問題だと思うけど」
「なんてこと言うんだ…」
それは知らなかった
確かに、彼女は美しい
周りと比べても圧倒的な容姿を持っている
ピンクブラウンの髪も、そうそういない
「寡黙なセドリック・ディゴリーが誘った女子
そんなの知られたら、絶対目を付けられるぜ?ただでさえお前だって人気あるんだからな」
「………………」
セドリックは人気がある
ハッフルパフ内では、男女問わず皆が彼を慕っている
ついたあだ名が「ハッフルパフの王子様」だ
「まあ、今は一緒に楽しく過ごして来いよ、邪魔者は退散してやる」
パーカーはそう言ってセドリックの肩を叩き、本当に面白そうに去っていった
セドリックは、パーカーのこういう所が苦手だった
面白そうにしては去っていき、その後さんざん冷やかすという性格が苦手だ