第18章 君と学ぶひと時を
ある青い空の日の事
セドリックは図書室へと足を進めていた
(今日は約束の日だからな、教えられるよう復習しとかないと)
今日はヴィオラとの勉強会を約束した日
思いのほか、彼女との学習時間はとてもはかどるので、またこうして誘ったのだ
「あれ?セドリック?」
後ろを振り返る
すると、そこにはパーカー・ウィンストンがいた
「どこ行くんだ?」
階段の方から駆け寄ってきてはそう問いかけてくる
「……図書室だ」
正直に答えるべきか悩んだが、素直に言った
もちろんパーカーもそれを感じとり、聞いてくる
「なんなんだよ今の間は」
「何も無いよ、何も無い」
「……………」
ジト目で彼は見つめてくる
まあ、なんというか
セドリックはパーカーに対して苦手な部分がある
「で、なんで図書室なんか行くわけ?まさかこんな時にまで勉強か?」
「約束だよ、一緒に勉強するって約束した子がいるんだ」
「…マリエレンダだな?」
「!?」
思わず、目を見開いてしまう
なぜ気付かれたのだろう
そんなにも自分は分かりやすかったか?
いや、そんな素振りは見せていないはずだ
そんなセドリックを見て、パーカーは面白そうに笑って言った
「ははっ、なんだ図星か」
「はぁ…カマかけたのか?」
「お前が一緒に勉強するって約束するやつなんてそんなに居ないだろ?」
「…」
ため息があふれる
セドリックは、パーカーのこういう所が苦手なのだ
「どっちが誘ったんだ?」
「僕だ」
「へぇー…珍しいな、お前からなんて」
確かに彼の言う通り、自分でも珍しいとは思う
普段は物静かにしているのに、わざわざ人といる事を選ぶ事なんてあまりないのだ
だからパーカーは面白がっているのだろうが
「マグルが襲撃されてるってのに、平和に勉強とはねぇ」
「こんな時だからこそゆとりの時間が必要だろ?」
「マグル達はそう思ってないみたいだぜ?」
パーカーが指で左の方を指す
そちらを見ると、コソコソと大人数で移動する生徒達がいた
「あれは…」
「同じ寮の後輩達だ、皆石になるのを怖がって純血やら半純血やらの隣にいるんだよ」
「…………」