第17章 ポリジュース薬にはご注意を
「おい君たち!」
「「!」」
(出た……パーシーだ…)
向こうから人影が見えた
ロンの兄、パーシー・ウィーズリーだ
「はっ!何して…」
そこでロンが地声だということに気づき、咳払いしてクラッブの声を演じる
「何してんだ?こんなとこで」
ロンことクラッブがそう言うと、パーシーは3人をじっと見つめて言う
「僕は何しろ監督生なのでね
君達こそ、夜こんな時間に廊下をウロウロしてるんじゃない
名前はなんて言う?」
「あ〜、えっと…」
「僕は、あの…」
口ごもっていると、ドラコが現れた
「クラッブ!ゴイル!どこ行ってたんだ!ずーっと広間でバカ食いしてたのか?」
こちらに近付いてくる
やがてドラコはピタッと止まり、ゴイルをじーっと見た
「なんで眼鏡なんだ?」
「あ、あの……本を読んでて」
「……字が読めたのか?」
ドラコの言葉に吹き出してしまいそうになる
あまりにもゴイルの評価が低すぎないかと思ったからだ
字なんて誰でも読めるだろうに、どうしていつもこの2人は食べ物しか頭にないのか
(でもなんだかんだで面倒見いいよね……)
「こんな所に何の用だい?ウィーズリー」
「態度に気をつけたまえマルフォイ」
バチバチ!
(あぁ、火花がっ)
マルフォイ一族とウィーズリー一族は仲が悪い
同じ魔法族の人間だというのに、どうして純血かマグルかで差別が出てしまうのか
とりあえず早めにハリー達にドラコから聞き出してもらおうと思ったので言う
「ドラコ、も、もう行きましょう、就寝時間が近付いているわ」
普段は慣れない口調で話す
ヴィオラの場合、ハーマイオニーなどの言葉遣いはそこまで使わないため少し不自然になってしまった
でも気にせずドラコは「あぁ」と言って寮に戻った
「全く、広間でバカ食いしてウィーズリーに会うなんてな」
スリザリン寮の談話室に戻る道中、ドラコはこう言った
やはり彼はマルフォイ一族の人間だ、父親と同じくマグル嫌いの血を受け継いでいる
ドラコやルシウスの場合、ただ先代達の影響を受けただけだと思うが、それでも非純血への認識は変わらないだろう