第17章 ポリジュース薬にはご注意を
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ポリジュース薬を作り始めて、もう1ヶ月が経った
そろそろ出来上がる頃だ
頬ずえをつき、ため息をつく
「クリスマスなのに帰れないとはねぇ……」
「元気だしなよ、僕なんて帰ったらママからお説教なんだから」
「あはは……ドンマイ」
「ごめんねロン、僕のせいで」
「気にするなって
ハリーが学校に来れない方が嫌だよ」
ロンが笑顔でそう言うと、ハリーも嬉しそうに微笑む
彼らの熱い友情がさらに深まった
クリスマスに帰れないのは、そう手紙が来たからだ
エルラから手紙が来て、「今年は帰ってこないで」と書かれていた
エドワードの悪夢はマシになったがたまには見てしまうらしい
ダニーとエルラで対処しているので、クリスマスどころではない
ならば学校で楽しく過ごしてもらおうということになったのだ
まあ、マグル襲撃のことを魔法省で働く父が知らないわけないだろうが
「あ、」
ハーマイオニーだ
スタスタとこちらに歩いてきて目の前に座る
「薬が出来たわ、あとは相手の一部分を手に入れるだけ」
「クラッブとゴイルの?」
「それからマルフォイから聞き出している最中に本物のクラッブとゴイルが来ないようにしなきゃね」
そう言って、ハーマイオニーはゴソゴソと何やら取りだしテーブルの上に置いた
「あ、もしかして私の薬が役立った?」
「ええ、大いに役立ってくれたわ」
彼女がテーブルに置いたもの
それは、美味しそうなカップケーキだった
以前「眠り薬」を作ってくれと頼まれ、母から教わったものを調合したのだ
これはエルラが開発した薬で、眠っている間、とても幸せな夢を見る素晴らしい快眠の薬
ハーマイオニーが絶賛していた
「眠り薬を仕込んでおいたの、ヴィオラに作って貰った特製の眠り薬をね
いい?二人が眠ったら物置に閉じ込めて、髪の毛を抜くのよ
制服も着替えてね」
「君は誰の毛を抜くの?」
「もう手に入れたわ」
手に持つ小瓶をハリー達に見せる
中には一本の髪の毛らしきものがあった
(あー、あれって…)
「ミリセント・ブルストロード、ローブに付いてたの」