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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第4章 受け継がれる愛の魔法



「分かりませんっ、まず先に枝を抜いて魔法で治療しなければならないのですが、ブローめではこの傷の深さを完治させることはできません、せめて奥様の薬がここにあればすぐに治せるのですが……」
「そんな……じゃあこの子はどうなっちゃうの?」
「出血多量で足が動かなくなるかと、命は助かっても後遺症は免れません…………」
「っ…………」

ブローが重々しく言った
エルラ達が帰ってくるのはもう少しだが、それまで黒犬がもたない、ここでやれば命は助かるが後遺症が残る
何とも最悪の条件だった

「…………」

ヴィオラはただ黙ることしか出来なかった
もっと勉強して魔法薬学や回復の魔法に精通しておけば治ったかもしれない
ひどく自責の念が溢れてくる

『君がこの子にキスをすればいいんだよ』

「え?」

声がした

「お嬢様?どうなさいました?」
「…………ううん」

『口じゃなくていいよ、どこでもいいから君が願って口付ければこの子の傷は跡形もなく治る、後遺症もなく』

やはり声は聞こえる
頭の中に語りかけてくるような声
その声は聞き覚えがあった

(まっ、まさか……)

『そのまさかで私だよ、神様だよ〜』

「ええええええええええええ!!!!」
「お嬢様!?」
「ワゥン!?」

『落ち着いて、彼らに私の声は聞こえない、心の中で反応してくれればいいから、それにそんなに叫ぶと変人に思われるヨ』

(わ、わかった……)

「な、なんでもないなんでもない、あはは!」

慌てて二人(一人と一匹)に取り繕う
二人は「どうしたんだ!?」という顔をしてこちらを見つめていた

「そ、それより黒犬さんの足だよ!!」

話題を上手くすり替える
そして先程神様に言われた通り心の中で語りかけた

(か、神様!?なんで、どうやって!?)

『君の様子をずっと見てたんだよ、思ったより元気そうで良かった』

(そうだったんですね……って、それよりキスすればいいってどういうことですか?)

『ああ、それはまた後で君のご両親からお話があるからその時に…、まあ簡単な話、おでこにでもキスすれば君は黒犬さんの怪我を治せるんだよ、「治して」ってお願いしながら口付けるだけでこの子は助かる』

(そんな簡単なことで良いんですか?)

『うん、神様嘘つかないよ、君を助けたいからこうやって話しかけてるんだし』



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