第17章 ポリジュース薬にはご注意を
ずっと「誰?」と言い続けているロン
が、そんな彼の背後に何者かが忍び寄る
「!」
ハリーが気づき目を見開く
そして、彼女が現れた
「私が嘆きのマートルよ!」
「ひぃっ!!」
眼鏡をした半透明な少女
彼女が「嘆きのマートル」
本名、マートル・エリザベス・ウォーレンだ
「どうせ私の事なんて知らないんでしょ、誰も私の話なんかしない、みじめな、メソメソマートルの事なんか」
次第にマートルは泣き出す
自分で自分を傷付けているのに涙を流し、声を張り上げて便器の中に突っ込んで行った
「傷つきやすい子なの」
ハーマイオニーが驚く2人に言う
ロンは、ずっと隅で震えていた
「皆さん集まって、さあ私がよーく見えますか?よろしい」
今日はあの日だ
ハリーが蛇と会話をする日
そして、ロックハートが吹き飛ばされる日でもある
「最近何かと物騒な事件が続いているので、校長からお許しを頂いて決闘クラブを開くことにしました
万一に備え自分の身を守れるよう皆さんを鍛え上げます」
「ロックハートもたまにはいい事するんだな」
「だね」
隣でハリーとロンが呟く
本当にその通りだと思う
ロックハートはそんな事も知らず話し続ける
「あ〜、では紹介しましょう、私の助手、スネイプ先生です」
そう言うと、スネイプが台に上がってくる
心無しか、どこか面倒くさそうに見えた
「皆さん、心配には及びませんよ、魔法薬の先生を消したりはしません」
笑いながらそう言う
やはり、スネイプの表情がいつもと違うように見えた
そしてこの後、全男子生徒の宿願が果たされる
(スネイプ先生が全員に尊敬されるのはここだけじゃないかな…)
二人が呪文を仕掛けようとする
「ワン…ツー…スリー…」
『エクスペリアームズ!(武器よ去れ)』
「うわぁ!!」
バタン!
先に仕掛けたのはスネイプだった
ロックハートがスネイプの魔法により吹き飛んで行く
「「ははは」」
生徒達から笑い声が聞こえる
大半は男子生徒だ
「先生大丈夫かしら?」
「知るもんか」
ハーマイオニーとロンの声が聞こえる
2人はロックハートに対してなんて対極的なんだろう