第17章 ポリジュース薬にはご注意を
なんと
思わず唖然としてしまう
今なんと言った?
貴重なベリタセラムを、魔法省ですら重宝している真実薬を
今、この人は「あげる」と言ったのか?
「いやいやいや!こんなもの貰えませんよ!」
当然、返そうとした
だがクィレルは受け取らない
「私よりも君の方が正しい使い方をするだろう
森番の助手となったからには、それは要らない」
「だからって!こんな……ええ!?
ベリタセラムがどれだけ貴重かクィレル先生なら分かってますよね?!」
「分かっているとも、だが、これくらいやらなければ『秘密の部屋』の謎は解けないだろう」
「でも………」
なんてあっさりしているんだろう
しかも出処秘密とは、ますます怪しい
確かにクィレルの言う通り、早くこの事件を終結させたいなら使えるものは使うべきだ
だが「最も危険な薬」に入っているベリタセラムを使うのは気が引ける
(でも、ポリジュース薬使うもんね………)
思わず心が正論をぶちまけた
そうだ
今回、ハーマイオニー達と一緒にポリジュース薬で変身しなければならないのだ
だったら別にいいんじゃないか?
…………………………………………………。
(いや良くないよ!!)
「先生、やっぱり貰えません
そもそも、誰に使えば良いんですか…」
「君が怪しいと思った人に使えばいい、私としては新しく入ってきたあの教師に使うべきだと本能が叫んでいる」
「………………………確かに」
納得してしまう
まあロックハートに使うのが一番良いだろう
あのペテン師がベリタセラムに抗えるとは思えない
じーっと小瓶を見つめる
数滴しかない、少ない液体
でも、これくらいなら2回程は使える分量だ
「うーん……まあありがとうございます、先生の言う通りあの人に使ってみようかと思います」
お礼を言う
クィレルは僅かに微笑んだ
「おーい二人とも、ハネピラニアが増殖しとるんだが、海に返すの手伝ってくれねぇか?」
ハグリッドが釣り道具を持って顔を出す
「……………」
「………ふふ、分かった」
それまでの空気が一掃された
笑いが溢れてしまう
クィレルと顔を見合わせ、手伝うことにした