第17章 ポリジュース薬にはご注意を
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「ハグリッドー!」
野原を駆けて可愛らしい小屋へと向かう
「おぉ、おーいクィリナス!ヴィオラが来たぞ!」
ヴィオラの姿を見て、ハグリッドが小屋の中にいる人物へと声をかけた
その人物はひょこっと出てくる
「あ!クィレル先生ー!」
ホグワーツ元闇の魔術に対する防衛術教師
今はもうターバンを脱ぎ捨てたクィリナス・クィレルだ
クィレルが嬉しそうに言う
「マリエレンダ…来てくれたのか」
「ええ、約束ですから!
森番の助手はどうですか?」
「楽しくやらせてもらっているよ、魔法生物の世話は得意だからね」
そう言って、前とは違う自信に満ち溢れた笑顔を見せる
どもりも無くなって、完全に過去のことは吹っ切れた様子だ
「クィリナスはすげぇぞ、この前も、池でハネピラニアに尻を噛まれたんだが呪文で助けてくれよった」
「それは凄い!けど…お尻大丈夫なの?」
「なんてこたぁねえよ、ちょっと噛み跡がついちまってるだけさ」
「おおお」
お尻を噛まれても無事とは
さすがは巨人族だ
ちなみに言うと、ハネピラニアとは名前の通りピラニアに羽が生えたような生き物のことだ
噛まれると結構痛い
まあ羽がついているだけでピラニアと何ら変わりないと覚えていてくれれば良い
「お邪魔しまーす」
小屋の中に入り、お茶を頂く
「学校はどうかな?2年生になったんだろう?」
くつろいでいるとクィレルが話しかけてきた
それにどう答えればいいか悩む
(少なくとも……あまり楽しいとは言えないわね…)
「秘密の部屋」の件で皆がピリピリしている
犠牲者は増えるばかりで、マグルの子達は特にだ
重苦しく口を開く
「……クィレル先生は、秘密の部屋を知っていますか?」
カチャン!
「っ……」
ヴィオラが言うと、クィレルが思わずというようにティースプーンを落とした
やはり彼も知っているのだ
「…何かあったのか?」
「…それが…」
全て話す
「秘密の部屋」の事、スリザリンの継承者の事
そしてマグルの人間達が石にされていっていることを
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「つまり、再び『秘密の部屋』が開かれたというのか?」
「よく分からないんですよ、壁の文字もあれ以来書かれてませんし……」