第17章 ポリジュース薬にはご注意を
真夜中の11時
何故かこの場にはドビーだけではなくブローもいた
本来ならドビーだけがやってきてハリーに忠告をするはずなのだが
ヴィオラの疑問に答えるようにハリーが言う
「その子、ヴィオラの屋敷しもべなんでしょ?
何か伝えたいことがあるって言ってたんだ」
「伝えたいこと?」
「はい、奥様に遣わされてきまして」
「お母さんが?」
エルラが一体どうしたというのか
こんな風にコソコソとブローを遣わせてくるという事は何か深刻なことがあったに違いない
意識を無理矢理覚ます
「一体どうしたの?何かあったの?」
「それが、大変申し上げにくいのですが…」
「?」
「早く言ったらどうですブロー」
「うるさいですよドビー、言われなくても分かってます」
ドビーとブローが何やら言い争っている
その様子が一瞬仲のいい兄弟に見えた
「ねえ、二人は知り合いなの?」
「知り合いも何も、ドビーとブローは同じ木から生まれたのです」
「木?」
ハリーが疑問の声を上げる
木とはどういうことか
二人が答えてくれた
「屋敷しもべは木から生まれます
長い年月を生きた木はやがて魔法が宿り、魔法使いの杖などが作れるようになるのです
その聖樹から、屋敷しもべは生まれます」
「そしてその聖樹は世界に沢山あります、ブローめとドビーは同じ聖樹から生まれた、いわば家族のようなものなのです」
「そうだったの!知らなかった…」
初めて知った
そんなことは原作でも見たことがない
(世界は広いなぁ)
改めてそう思った
「それで奥様からの伝言ですが…」
「ああ、そうだったね、それで?」
ブローに言われ、思い出す
そうだ、話を聞いてあげなくては
「実は、お嬢様が学校に戻ってから、坊っちゃまが悪夢を見るようになったのです」
「エドワードが?」
「はい、定期的になのですが、奥様が眠り薬を使っても何度も見るようで…
疑問に思った旦那様が坊っちゃまに夢の内容を聞いたのです」
「……エドワードはなんて?」
「…大きな蛇に、何かの日記、そして…年上の男の子がいたと」
「っ」
思わず目を見開いてしまう
それは、明らかにトム・リドルの事件を示唆しているとしか思えない情報だから