第4章 受け継がれる愛の魔法
しばらくするとブローは泣きやみ鼻をすすりながらご飯を作り出した
「ねぇ、ブロー」
「なんですか?」
「パパとママはまだマホウショーなの?」
「そうですね、もうすぐで帰ってくると手紙が飛んできましたのであと少しだと思います」
「そっかあ、おじいちゃんも帰っちゃったし、森で遊んでこようかなぁ」
「お出かけですか?」
「うん!少しだけお散歩してくる、そんなに遠くには行かないし、夕飯前には戻ってくるから」
「かしこましました、今日はお嬢様の好きなかぼちゃスープですよ」
「やったぁ!ありがとう!すぐに帰ってくるね!」
そう言って家を出て、裏の小さな森へと行った
「ふんふふーん」
(かぼちゃスープ前世から好きだったんだよねー!)
ヴィオラは一人今日のご飯を楽しみにして森へとかける
この森はマリエレンダ家の所有する土地に含まれており、よく兎やリス達が他からやってくる
マリエレンダは有名な一族であり、マルフォイ一家と同じように純血の名門だ
持っている土地も大きく、ヴィオラの住むこの家はまさに豪華な二階建の一軒家だった
家の周りは壁に囲まれているのでブローが外へ出てもマグル達にバレることは無い
裏の森では好き放題遊べるのでアスレチックをすぐそばで体験出来るという何とも素晴らしい場所だった
鼻歌を歌いながらスキップして森を散歩する
夕暮れとはいえもう空は暗かった
「やっぱりもう帰ろうかなあ」
などと考えていると、異変に気づいた
「あれ?」
(何?あの黒いの)
ヴィオラの視線の先には気に寄りかかる黒い塊があった
恐る恐る近寄ると
「グウゥ……」
「え、動物なの?」
鳴き声がし、それが生き物だと分かった
「お、おーい」
声をかけると黒い塊はこちらを振り向いた
顔を覗くと、そこには
「クウン?」
犬がいた
「犬?」
思わず口に出して言ってしまった
すると犬は目を丸くしてふるふると首を横に振った
「あれ、違うの?」
今度はこくこくと頷く
「まあ、犬にしてはあなた大きいよね……」
ヴィオラの言った通りだ
犬にしては大きすぎる
これは大型犬などではない
人間の大きさだ
しかも人間にしても結構な大きさだ
「黒犬さんはここで何してるの?」
そう問うと、黒犬は自らの後ろ足に目を向けた