第15章 ギルデロイ・ロックハート
雷が降るぞっ
『車を盗むとはなんて事です!お前には愛想が尽きました!お父さんは役所で尋問を受けてますよ!それもみんな、お前のせいです!』
「っ」
ロンの母、モリーの怒りの声は、講堂全体に響き渡る
ロンは恐怖のあまりただただ息を飲んで萎縮してしまっている
「母は強し」だ
『よくお聞き!今度ちょっとでも規則をやぶってごらん!家に引っ張って帰りますからね!!』
「(コクコク)」
『あぁジニーちゃん、グリフィンドールに決まっておめでとう、パパもママも鼻が高いわ』
吠えメールモリー、略して「吠えモリー」はロンとは一転、ジニーに向き、グリフィンドールになったことを優しく祝福した
ジニーは周りを気にして照れながらも「ありがとう」と言う
それを皮切りに、吠えモリーはロンに対し、ない舌をべーっと伸ばして散り散りに破れた
「っ」
「「……………………」」
ロンの顔には恐怖が浮かんでいる
グリフィンドールの皆は、ロンの母親の怖さにただ黙ることしか出来なかった
いよいよあの時間だ
生粋のナルシストペテン師の時間
自習をしていると、扉を開けて男性が入ってくる
彼は入ってくるなり髪をファサッとなびかせた
そして妙に誇らしそうに言う
「皆さん!闇の魔術に対する防衛術の新しい先生を紹介しましょう!
私です」
(((うぜぇ!)))
(((かっこいい〜♡)))
ヴィオラは、全男子と全女子の心の声が聞こえた気がした
「ギルデロイ・ロックハート
勲三等マーリン勲章受賞、それに加えて闇の力に対する防衛術連盟名誉会員であり、雑誌『週刊魔女』のチャーミング・スマイル賞5回受賞
それは置いときましょう、妖怪バンシーをスマイルで追い払った訳では無い」
ロックハートは笑いを含ませながら長い長い自己紹介をしてくる
あまりにも情報量が多すぎてパンクしそうだ
よし、忘れよう
ロックハートが突然身構え始める
「さあ!気を付けて
魔法界の中で最も汚れた生き物と戦う術を授けるのが私の役目です
君達はこれまでにない恐ろしい目に遭うことになるでしょう
だが私がいる限り君達は安全ですぞ
どうか叫ばないようにお願いしたい…こいつらが暴れるから!!」