第13章 純血の女神
そして、二つの事を言いつけました
一つ目は、この力を周りから隠し、子々孫々まで普通の人間として暮らして欲しいという事でした
二つ目は、力に目覚めたものは、魔法界滅亡時に皆を守るために使えという内容です
彼女は、普通の人間として生きて欲しいと思っていました、しかし魔法界の永久の平和も願い、この事を約束させたのでした
男は約束を守り、子々孫々、力の秘密を伝えていきました
女の子は、それから誰にも姿を見せませんでした
彼女がその孤独な人生に満足し、本当に幸せだったかは
誰も知らない
ペラリ
「終わっちゃった」
最初の物語は全て読み終えた
後は何かよく分からない詩が載っている
(なんか……そっくりすぎるよ)
ダンブルドアの言う通りだった
これはあまりにもマリエレンダ創設の話に似すぎている
創始者の詳しい人生の話は知らないが、経緯はほとんど同じだ
力を持って生まれた
その力は段々恐れられるようになり、創始者は力を託すことによって周りから隠した
そうして、マリエレンダ一族が生まれた
「…………………………」
これがただの童話なら出来すぎている
ここまで似た話が作れるのはおかしい
一族の誰かから情報が漏れたのだろうか?
「でも、それなら有り得るよね…」
その考えは意外にもしっくり来た
そもそも、祖父のハンネスの話が本当なら、マリエレンダは1000年もの間、この魔法の秘密を維持してきた事になる
その気が遠くなるほどの長い間、情報を漏洩せずに隠すことは果たして可能なのか
きっと創始者の意思に反する者が生まれるはずだ
彼等が何らかの形で外に漏らすかもしれない
そして、1000年間もマリエレンダ一族が「純血」だということに疑問を覚えた
タイトルは「純血の女神」
つまりこの「女の子」とは純血の少女なのだろう
「魔法を知らない者達」はマグルの事か
という事は純血でなければならない理由があるのか
考えれば考えるほど訳が分からなくなる
「あ〜」
「ポー?」
「ちょっと…頭使って疲れちゃって…」
ベッドに倒れ枕に伏せる
「う〜ん」
唸ってみるもやはりそれらしい答えは出ない
「30年前……30…」
考えてみる
必死に頭を回転させ、有り得る仮定を立てる