第12章 賢者の石
自分ではそう思ってなかったとしても、実際彼は生徒からは慕われていた
それを知って欲しかったので、わざわざ計画したのである
「全部グリフィンドール生からだから他の寮のものは無いんだけど、私達はこう思ってますよって書いてあるから」
ハグリッドは感慨深そうに色紙を眺めている
魔法を込めてもらうことはしなかった
全て自分で描き、お手製に仕上げたかったのだ
色紙も、ミア達と一緒に制作したものである
「きっと喜ぶさ
まだ謹慎中だが、夏休み明けには会えるだろうや
また逢いに来てやったらどうだ?クィリナスは会いたがってたぞ」
「ふふ、教えてくれてありがとう、絶対会いに行くから」
「おうおう
ほら!もう行った行った!汽車が出ちまう」
「あ!急がなきゃ!バイバイ、ハグリッドー!」
手を振ってハグリッドと分かれる
夏休み明けに欠かせない予定ができた
今からでも考えるだけでワクワクした
「ヴィオラ!」
「ハリー!ロン!ハーマイオニーも!」
ハリーとロンとハーマイオニーがいた
三人は向こう側でヴィオラを呼んでいる
近寄ると嬉しそうに微笑んだ
「今度は始業式だね」
「うん、夏休みは絶対三人にも手紙書くから、また新学期に会おうね」
「ええ!私も絶対書くわ」
「僕も、ただおじさん達にバレないようにしなきゃだから…」
そう言ってハリーは少し俯く
(最初のハリーはダドリー達が苦手?みたいだったよね)
「大丈夫だよハリー、送れる時でいいから」
一呼吸する
そして
『ハリーなら大丈夫』
そう唱えた
「ありがとう、僕もいっぱい送るから!」
ハリーはさっきとは一転し、にこやかになってそう答えた
『愛の魔法』
それを使った
先程のものは心を勇気づける効果がある
エドワードの時と同じ
こういうものは代償が小さいので苦痛に感じない
だから、結構気に入ってるのだ
汽車に乗る
席に座って窓の外を見る
「あれ!?」
「わぁ!なになに?どうしたんだよ」
ヴィオラが突然叫んだのでロンが驚く
ハリーとハーマイオニーも目を見開いている
だが気にせず窓の外を指さした
「クィレル先生!?」
「「え!?」」
窓の外
ずっとずっと遠く
箒に乗ってこちらを見るクィレルがいた