第12章 賢者の石
森番の助手
それは中々いい判断だと思った
ホグワーツの中にいて、ダンブルドアの目が行き届きやすい場所
それは、厨房や管理人しかない
でも、クィレルは多彩に魔法が使えるので、それが役立つ森番にしたのだろう
「しかし意外じゃな、ハリーと同じで君も石について聞いてくると思ったが…」
ダンブルドアが言った
それに微笑んで答える
「先生ならきっと何とかしてくれるって思ったので
それに、大事な石のことを聞いたらまずいかなって」
「ほほほ、中々賢いのう」
楽しそうに笑っていた
まるで見透かされることが面白いかのように、楽しそうに
しばらくして、ダンブルドアは真剣な顔になる
「それではわしの方からも一つ
地下室で、君が何やらクィレル先生からヴォルデモートを引き剥がしたとハリーから聞いたのじゃが…教えてくれるかね?」
「…………」
ついに来たか
ダンブルドアにバレてしまった
ここで下手に言い訳してもこの人には通用しないだろう
なんせ目の前にいる男性は「ダンブルドア」なのだ
「…誰にも言わないって約束してくれますか?」
慎重になりそう言う
ダンブルドアはそれで雰囲気を感じ取ったのか、コクリと静かに頷いた
「…………」
そうして全て語った
『愛の魔法』やマリエレンダの歴史、知り得る全てのことを包み隠さず話した
ダンブルドアは静かに、頷きながら聞いてくれた
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「なるほど、となるとクィディッチの時や暗黒の森に行った時も力を使ったということかの?」
「はい」
全て話すと、ダンブルドアはこれまでの疑問点を繋ぎ合わせるかのように考える
結論に至り、ようやく全部が分かったようだ
「ふむふむ」と言いながら髭を触っている
「この力を他に誰か知っている人はおるかの?」
「いえ、家族以外、誰にも話してません」
「……ならばそのまま誰にも話さん方が良い、君の秘密は周りを死の危険に至らしめる可能性がある」
「え?」
「聞いた限り、『愛の魔法』はディメンター(吸魂鬼)のキスすら無効化するのじゃろう?
それが大罪人に知られれば君はおろか、秘密を知っている者を人質にしたり、あるいは殺したりするかもしれん
それほど、重い秘密なのじゃ」
「………………」