第12章 賢者の石
ただただ静かに、ダンブルドアはそう告げる
(そんなに危ないことだったなんて………どうしよう、それじゃあ迂闊に使えない)
これから、この魔法を様々な場面に役立てようと思ったのに、そこまでの危険性があったならおいそれと簡単には使えない
悔しさから唇を噛み締める
そして、ダンブルドアに約束した
「っ……分かりました、誰にも言いません」
そう言うとダンブルドアは少し悲しそうにした
まだ、12歳の少女にはこの話は酷だと思ったのだろう
「それにしても、マリエレンダの創始の話はある童話に似ておるな」
「童話?」
しばらくして、そんな話をしだした
童話とは何のことだろうか
気になって聞くと、ダンブルドアは「本があるからそれをやろう」と言ってくれた
お礼を言うと、気にするなと言って笑った
「それでは、わしはもう行こう、溜まった業務を終わらせなければ」
ダンブルドアはちょっと困ったような笑みを浮かべた
「ふふ、頑張ってください先生」
「ほほ、そうしよう、全く、年寄りにやらせることが酷いわい」
ダンブルドアはそう言って出て行った
「ふぅ」
(なんか色々疲れたよ…)
ヴォルデモートに『愛の魔法』の危険性
色々なことがありすぎて少し疲労が溜まった気がする
チラリ
「……………………」
隣の台の上には百味ビーンズがある
(食べてみてもいいよね………)
キョロキョロと周りに人がいないか確かめる
やはり医務室には誰もいない
とても静かだ
(よし!)
百味ビーンズを手に持つ
中身が見えないようにそっぽを向いて手探りでビーンズを取る
「あ〜、んっ!」
パクリ
もぐもぐと噛んで食べる
(……ゔっ、これは………)
「おえぇ、……ゲロ味め………」