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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第12章 賢者の石




(っ……)



苦しい

悲しい




自分のせいで母が死んだ

父を失った



あの時、どうすれば守れたのか

自分がもっとしっかりしていれば

自分がもっと大きかったら






二人を守れたのかもしれないのに















『でもそれは、君が死ぬことになるよ?』




フワリ



神様が出てきた


「…………………」

『君が無茶をする理由が分かった
「愛の魔法」を酷使して、そこまで皆を助けようとする理由が』


神様は一呼吸して、言った



『死を見るのが怖いんだろう?自分のせいで誰かが死ぬということが
目の前で悲しみに暮れて死ぬのを見るのが
君は恐れているんだ』

「……………」

『ハンネスの死を見ても平気だったのは、君が死に取り憑かれているから
悲しくても死を恐れないんだ、だって彼は望んで死を選んだからね
でも、麗乃のお父さんとお母さんは分からない
二人は、もっと生きたかったかもしれないのに
悲しんで死んでいく人を見ると、君はまるで責められているような気がする、だから何としてでも守ろうとする』

「……………」



その通りだった



両親が死んで、二人の死に顔を間近で見た
二人とも苦しそうな顔をしていた
青白くなって、冷たくなって
そしてその顔を見たら、怖くなった



「お前のせいだ」と言われているような気がしたから







『でも、今の君が罪悪感を味わっても意味は無い
君は「ヴィオラ」だから、どんなに想っても、それが届くことはないんだよ』


分かっています、ずっと前にそんな事は分かってました
でも、どうしても感じてしまうから、忘れられない


『未来に生きなさい
今の君には別の家族がいる、ならば彼らのために生きなさい』


怖いのです、二人を忘れたら、私は永遠に責め続けられる


『両親っていう存在は、そんな下らないものじゃない』


私には分かりません、母の想いも、父の隠し事も



『ほら、目を覚まして
君の友達が迎えに来た』

「友達?」


ああ、ハリーの事か

ロンとハーマイオニーも来ているのか

心配させちゃったな
ハーマイオニーには特に謝っておかないと



『それじゃあ、こちらの世界では、おやすみなさい』










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