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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第12章 賢者の石


ハリー目線


「う……」


フローラルのいい匂いの中、ハリーは目を覚ました


(ん、ここはどこだ?医務室?)

目をこすって周りをよく見てみる
だが元々視力の悪い目では何も見えない

カチャ

眼鏡をかけた
すると鮮明に自分を取り巻く環境が見えてくる

「!ヴィオラッ」


ずっと見渡していると、隣のベッドに人が眠っているのが見えた

ピンクブラウンのふわふわとした長い髪
雪のように白い肌
今にも透けそうなまつ毛

スヤスヤと可愛らしい寝息を立てて寝ている彼女は、知らない人から見れば精巧に作られた美しい人形のように見えるだろう


「………………」

未だ目を覚まさない

何か魔法にかけられているんじゃないかと焦り、呼吸が荒くなる

(そんな……僕のせい?僕のせいで、ヴィオラが………)



「起きたのかね、ハリー?」



優しい、落ち着いた声がした

声の方を振り返る

白い髪に長い髭
ダンブルドアだ
彼の穏やかな目付きは、ハリーを見据えていた

「おお、贈り物じゃの、君の崇拝者じゃ」
「崇拝者?」

思わず間抜けな声でオウム返ししてしまった
ダンブルドアは机の上に並べられているいくつものお菓子をキラキラした目で見ている

でもそれより崇拝者とはどういうことだろうか

疑問に答えるように、ダンブルドアはゆったりと話し出す

「地下室で、クィレル教授と君の間に起きた出来事は秘密じゃ
つまり、秘密ということは皆が知っておる」

意味深そうにダンブルドアは笑う

地下室でハリー達がした事も、
学校に何かが隠されていたということも、
皆知っている
でなければ秘密にする意味は無い
誰も知らないなら秘密だなんて言わなくていいからだ

ダンブルドアが先程とは打って変わって楽しそうな様子になる


「おお、このカエルチョコ、ロンが君に成り代わって開けたようじゃ、早々と」

ロンと言われ思い出す

(そうだ…皆の事を聞かなきゃっ)

「ロンは無事なんですか?ハーマイオニーは?」
「大丈夫、二人とも元気じゃよ」
「石はどうなったんですかっ?」
「慌てるでない」

切羽詰まったように問いかけるので、ダンブルドアは落ち着くように促す
それで少し冷静になった





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