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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第12章 賢者の石



体に触り、脈を見てみる

「…良かった…気を失ってるだけだ……」

安堵して、肩の力が抜けた

そして、ハリーが言う

「ロンを頼むよ、フクロウを飛ばしてダンブルドアに知らせて
僕はロンの言う通り、進まなくちゃ」

重そうに言った
それで彼がどれだけ責任を感じているかが分かる
ハーマイオニーも感じ取ったらしく、ハリーを励ますかのように言った

「あなたなら大丈夫よ、ハリー、あなたは偉大な魔法使いだわ」
「君達ほどじゃないよ」
「私は、ただ勉強ができるだけ」
「私も、ハーマイオニーと同じで勉強が好きなだけよ」

ハーマイオニーと見つめ合い軽く笑った
こんな状況なのに、それを吹き飛ばすみたいに笑い合う
そして、言った

「………私は、ハリーについて行くよ」
「!ヴィオラ、それはダメだよ」
「ううん、止めても行く、だって、ハリー責任を感じてるでしょ?
ロンがこんな事になったのは自分のせいだって」
「………」
「だから、私がついて行って無理しないように見とくんだよ
お姉さんに任せなさい」

いたずらに笑って言った
ハリーもつられて、「君の方が数ヶ月年下だろ?」とツッコミを入れてきた
あえてここには乗らなかった




「それじゃあ、行こう」
「気を付けてね、ハリー、ヴィオラ」




ハリーがそう言うのを皮切りに、ヴィオラも立ち上がる
ハーマイオニーに見送られ、部屋の奥へと進んだ



「………………」


廊下を歩く


これからヴォルデモートと対決するのに、得体の知れない恐怖感が襲ってくる

震えるヴィオラを見たのか

「ヴィオラ、怖い?」
「!…ハリーは怖くないの?」
「僕は、怖いけどやらなきゃって思いの方が強いから」
「ハリーは勇敢だね」
「ありがとう
そうだ、怖いならほら、手を繋ごう?それなら大丈夫だよ」

ハリーが笑顔で手を差し出してくる

精神年齢年下の男の子に頼るのはみっともないと言われるだろうが、この時ばかりはそんな事は考えていられなかった

大人しく手を取って繋ぐ


「…………………」




それが、とても温かかった








「「!」」

誰か人影が見えた
鏡に向かって立っている人

その人は何やら鏡に向かって喋っている






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