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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第11章 プレゼントは死の秘宝



「だが、代償は大きい
純粋な生き物を殺し、その血が唇に触れた瞬間から、その者は呪われる、生きながらの死だ」
「そうまでして誰が生きたいの?」
「誰だと思う?」

彼の意味深な問いに、ハリーは気付いた
その答えを口にする

「もしかして……さっきあのユニコーンを殺してその血を飲んでいたのは……ヴォルデモート?」
「今、この学校に何が隠されているか知ってるかい?」
「! 賢者の石……」


「ハリー!ヴィオラ!」
「「!」」



声がした
ハーマイオニーだ
彼女の方を見ると、ロンにマルフォイ、ファングまでいる

ハグリッドが出て来てケンタウロスを見た

「やあ、フィレンツェ、ポッター二世と会ったようだな
無事か?二人共」
「僕は大丈夫、でも……」

そう言ってハリーはこちらを見た
未だ、ヴィオラは身体の力が抜けてハリーに寄りかかる体制だ

「大丈夫よ、ちょっと疲れただけで……」

力を入れようとするも全く立てない
体が震えてまるで動くことが出来ない





「君は…今はヴィオラ・マリエレンダだったね」
「え?」

フィレンツェが話しかけて来た
自分に声がかかるとは思わず、変な声を出してしまう
だがそれは気にせず、フィレンツェは彼女に話す

「ヴィオラ・マリエレンダ、君の事も知っている
あの方に寵愛された、哀しき少女」
「?」
「君の持っている指輪を出してもらえるかな?」
「あっ」

フィレンツェにそう言われ、ゆったりと腕を動かす
腕はまだ動かせるので全力の速さで動かす
でもやはりその動きは代償のせいで遅い
フィレンツェはそれでも待ってくれる

「これの事?」
「ありがとう」

ポケットに入れた指輪を出すと、フィレンツェはお礼を言ってくる
彼は何やら手に取ってじっくりと指輪を見つめた

しばらくすると彼は指輪を返してきて声を発した

「この指輪は誰にも渡してはいけない、君が必ず持っているんだ」
「どうして?」
「指輪がそれを望んでいる、やはり闇の魔法に染められたとはいえ、少なからずの『幸福の記憶』を持っているようだ」
「え?」
「これはどこで見つけた?」
「廃墟だよ、ゴーント家の」
「そうか……」

そう言うとフィレンツェは黙った
考え込むようにして黙りこくっている
よく分からないが、彼は何かを知っているようだ







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