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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第11章 プレゼントは死の秘宝



光が溢れ出す
ピンク色の温かな優しい光

その光はまるでヴィオラの願いに応えるようにヴォルデモートを襲う
ハリーを守るかのように光の膜となって衝撃波をヴォルデモートに放つ

「ッ!!」


どうやら、効果はあったようだ

ヴォルデモートの動きが鈍った

眩しそうによろよろと動く
後ずさりしてしばらく目を抱えている

「ハリー!」

今のうちに彼に寄り添う
とにかく、あのまま放っておいたら危ない気がしたのだ

「大丈夫?」
「あ、ありがとう、今のは……」
「それは…っ!はっ、はぁっ……」




まただ


凄まじい倦怠感が体を襲う

全身の力が抜けてハリーにもたれかかってしまう

「ヴィオラ!?」
「ごめ……力が入らなくて…」

息ができない

はぁはぁと荒く呼吸を繰り返す

「どうしたの?!」
「はぁ……はっ…はぁ」

(やばい、動けない……早く来てっ)

必死に助けを祈る
だが誰も来ない

「ッ!来るよ!」

ヴォルデモートが近付いてくる

さっきの目くらましのようなものも効き目はここまでのようだ
もうなすすべはない


(早くっ!)


バッ!

「「!」」


何かが草むらから現れた

(やっとだ……)


馬のひづめの音

その音を発する何かはヴォルデモートへと襲いかかる
ヴォルデモートはそれから逃げるようにしてサササと音を立ててどこかへ消えてしまった





何かはこちらを振り向く

その何かを、ヴィオラは知っていた




ケンタウロスだ





目の前の立派なケンタウロスはハリーに話し掛けた

「ハリー・ポッター、森から出なさい、森の者は君を知っている
今この森は安全じゃない、君にとってはね」

静かに落ち着いた低い声で彼は話す
ハリーは彼を味方だと判断し、安心して聞いた

「さっき、僕を襲ってきたものはなんだったの?」
「恐ろしい怪物だよ
ユニコーンを殺すのは大きな罪だ、ユニコーンの血を飲めば、死にかけた命も蘇らせることが出来る」

酷く恐ろしい話をしているのに、彼は至って落ち着いている
この様子から分かった
この森は、ずっと前から、入学してくる前からこの様な事に脅かされていたのだ




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