第11章 プレゼントは死の秘宝
「賭けでもらった、パブで会った知らない奴から」
「それって大丈夫?知らない人なんでしょ?」
ヴィオラがそう言うと、ハグリッド何ら気にしてなさそうに言った
「大丈夫さ、向こうもこいつを持て余してたみたいだし」
「これって……ドラゴン?」
「ただのドラゴンじゃないよ、ノルウェー・リッジバッグだ
チャーリー兄さんがルーマニアで研究してる種類だよ」
ハーマイオニーの疑問の声に、ロンが答えた
彼の兄は魔法生物に詳しいのでロンも名残りがあるのだろう
殻から出たドラゴンを観察していると、可愛らしい声で鳴き、ハグリッドを見つめていた
「見事だ……ちゃーんと、ママが誰か分かってるぞ
いい子だ、ノーバート」
「ノーバート?」
「あぁ、名前はつけてやらんと
ほーらノーバート、よーちよちよち……うぉわ!」
突然ノーバートが火を吐いた
幸い小さい火だったのでハグリッドの髭は犠牲にならなかった
「おぉ、あちちち、ちょっとしつけが必要だな…………ありゃ誰だ?」
ハグリッドが窓の方を目を細めて言う
そちらを振り返る
するとそこには金髪の少年がいた
ハリー達が彼の存在に気付いたので、少年はどこかへ走り去っていった
「…マルフォイだ」
「っこりゃいかん」
マルフォイに見られたことと、こんな夜更けに生徒が四人も出歩いては問題になるということで、ハグリッドは帰るように促した
それに従い、四人は寮へと足を進める
「ハグリッドは前から言ってたんだ、ドラゴンが欲しくてたまらないって」
帰る道中、ハリーが声を発する
彼の考えは、スネイプがハグリッドからフラッフィーの手なずけ方をドラゴンを与えることで聞き出したという事だろう
だが残念ながらそれは違う
半分正解で半分間違いだ
「やばいよ、マルフォイにまで見られちゃったし」
「どうして困るの?そんなに悪い事?」
「悪いさ……」
「こんばんは」
「「!」」
「いいですか、どんな理由があろうと、夜中に抜け出して学校を歩き回ってはいけません」
マクゴナガルがこの場にいる全員に説教をする
隣にはマルフォイがしてやったりと笑っており、ハリーとロンがなんとも嫌そうな顔をしている
(あ〜、私この前も勝手に抜け出したから絶対呆れられてるだろうなぁ……)
一人、前のことを思い出して少し悲しくなった